2100年の天気予報!?温暖化が進むと札幌の最高気温は一体何度に…? | HTB「イチオシ!!」報道企画1.5℃の約束

いま、国連の日本における代表機関である国連広報センターと日本国内のメディアが協力して世界に発信している「1.5℃の約束」というキャンペーンがあります。世界の平均気温の上昇を18世紀の産業革命前に比べて、1.5℃に抑えるという目標に向けて一丸となっていこうと呼びかけているものです。平均気温はすでに、1.1℃上がっていて残りあと0.4℃しか残されていません。このまま気温上昇が続くと、北海道にも多くの影響が出ることが見込まれています。

環境省が2019年に制作した「2100年 未来の天気予報」。

地球温暖化対策による影響・被害の可能性について、一人ひとりの正しい理解を得て、地球温暖化に対する危機意識を共有し、今できることから行動することを呼びかける動画の冒頭はこのような気象予報士の予報で始まります。

「きょうは、全国の気象を観測している900カ所のうち、140箇所で40℃を超える激暑となりました」

このまま、対策をとらずに、気温上昇を1.5℃までに抑える目標が達成できなかった場合、夏の最高気温は、札幌でも40℃を超えています。

「2100年 未来の天気予報」を監修した東京大学の江守正多教授はこう語ります。

「気温の上昇にともなって、記録的な熱波や大雨が世界中で増えています。2100年の天気予報では北海道が「日本一の米どころ」として紹介され、さらに猛暑による被害に対する懸念も示されています。日本全体、さらには世界全体を見回すと本当に大変な被害を受けている人が出始めています。」

北海道でも、近年温暖化が原因とみられる異常気象による影響が出ています。

神田昭一 気象予報士はこう語ります。

「2016年には北海道に1週間で3つの台風が上陸したんです。そもそも北海道に接近する台風は1年でも1つか2つくらいです。上陸ともなりますと、数年に1つくらいなんですね。それが1週間で3つも上陸したのです。極端な現象が増えていて、特に雨の降り方が激しくなっている様に感じますね。」

こちらは2015年に世界各国で行われた調査の結果です。「気候変動対策はどのようなものか?」という質問に、日本人の6割が「生活の質を脅かすもの」と回答したのに対し、世界平均の6割以上は、「生活の質を高めるもの」と回答。意識に大きな違いがあることがわかります。

東京大学の江守正多教授はさらにこう語ります。

「日本人は温暖化対策に対して、我慢や負担を強いられると感じて後ろ向きな気持ちになってしまうようです。一方で、世界ではなぜかみんなもっと前向きです。これは"もう新しい社会に変わっていくこと。いいことなんだからやりましょう"と感じている人達が多いのではないでしょうか。」

国際機関の研究では、気温上昇を最低でも平均1.5℃までに抑えることで、豪雨・干ばつなどの被害が軽減できるとされています。これを実現するためには、2050年ごろまでには世界のCO2=二酸化炭素の排出量を実質ゼロにする必要があるともされています。

江守教授は、私たちひとりひとりにできることとしてこんな例をあげます。

①温暖化対策に熱心に取り組んでいる企業や政治家を応援する

②大きな買い物をする予定がある時には、家だったら高断熱・高気密を。自動車だったら電気自動車を検討する。

こうしたひとつひとつのアプローチが、今後とても重要になってきます。

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