東京・八重洲に日本最大級のバスターミナルも 3つ目の「ミッドタウン」始動へ

“3つ目のミッドタウン”が動き出します。東京ミッドタウン八重洲の内覧会が9月15日に開かれ、日本最大級のバスターミナルや一部店舗などが先行オープンを前に公開されました。

9月17日に一部が先行オープンする東京ミッドタウン八重洲は施設内に多彩な店舗や外資系ホテルが開業する予定だけでなく、東京・中央区立の小学校が開校するなど、今までの大型施設とは違う顔を持つ複合ビルとなっています。さらに、この複合ビルには"地域の課題”を解決するもう一つの役割が期待されています。それが、東京の新たな玄関口として地下2階に誕生する、駅直結の巨大バスターミナル「バスターミナル東京八重洲」です。

第1期に開業したバスターミナルはおよそ7000平方メートルを誇ります。周辺のバス停留所を集約し、全国各地に向かう路線など1日当たりおよそ600便が発着します。バスターミナル開発を手がけるUR都市機構・東日本都市再生本部の五島芳宏課長は「1つに集まったことで利用しやすくなり、より身近にバスを感じて利用してもらえるのでは。東京駅前にバスという交通手段が新たに加わることで、より多くの人に利用してもらえるとうれしい」と話しています。

1つ上の地下1階フロアには、バスの利用者などをターゲットとした飲食店中心の13店舗が出店します。中でも注目店は、戦後間もない1949年から酒の卸をしている老舗が新たな業種としてオープンさせた店です。店内にはさまざまな日本酒が並び、低価格のものから希少な日本酒までそろい、酒粕を使ったバスボムも販売されています。この店では日本酒をもっと身近に感じてもらおうと、提供する利き酒の1杯の量を少なくして値段を抑えることで、手に取りやすくしています。そのほか、東京初出店となる沖縄のソウルフード・ポークたまごおにぎりの専門店「ポーたま」では出来たてにこだわり、注文を受けてから1つずつ作るということです。全てのメニューに入っている沖縄県産豚肉を100%使った保存料不使用というポークランチョンミートが味の決め手です。「ポーたま」の清川勝朗社長は「東京駅の利用者数はすごく多い。今回、立地がバスターミナルということもあり、東京から旅立つ人にぜひ利用してほしい」と話しています。

都内に誕生する新たな玄関口「東京ミッドタウン八重洲」のバスターミナル(第1期)と地下1階の飲食エリアは9月17日のオープンです。

<八重洲の課題に対応 今後、国内最大級のバスターミナル誕生へ>

東京駅周辺では丸の内エリアでもリニューアルや再開発が進んでいますが、駅を挟んだ反対側の八重洲エリアも大きく変化しそうです。

今回開業する「東京ミッドタウン八重洲」は東京駅の八重洲口の出たすぐのところで高さも200メートル以上と非常に存在感があり、八重洲の景色が大きく変わりました。今回お披露目されたエリアは「八重洲2丁目地区」といわれているところで、今後「八重洲1丁目」と「八重洲2丁目中地区」がおよそ6年間かけて段階的に再開発されていく予定です。そして、それぞれの施設にバスターミナルが設置されます。これらをまとめると、日本最大級のバスターミナルが誕生します。

日本最大級のバスターミナルを造る狙いには、八重洲ならではの"バス停に関する課題”がありました。現在、東京駅周辺には路上にバス停が散在しています。散在しているため乗り場などが分かりづらく乗り換えも不便という声があり、今回バス停が集約されました。東京駅からも直結し利便性が高まります。

これまでは散在していたバス停に列ができたり周辺の歩道や車道が混雑する影響がありましたが、路上のバス停が撤去されることによって人や車の流れがスムーズになることも期待されます。また屋内なので天候にも左右されない利点もあります。

東京駅周辺の新たな顔になるのか、今後の開発状況も注目されそうです。

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