台風の雨風「怖い」 長崎県内1万3100人超避難

台風接近に伴い自主避難した住民ら=長崎市高尾町、山里地区ふれあいセンター

 大型で非常に強い台風14号の接近に伴い長崎県内では18日、海や空の便とともに電車やバスが運休し、大型商業施設も閉店するなど市民生活に影響が出た。高齢者らは「ひどい台風だから怖い」「風の音が怖くて来た」と早めに避難所に身を寄せた。
 県災害対策本部によると18日午後8時現在、19市町が避難指示を、2市が高齢者等避難を発令した。計478カ所の避難所を開設。7987世帯、1万3101人が避難した。
 長崎市は154カ所の避難所を開設。高尾町の山里地区ふれあいセンターには、午後2時までに近隣住民65人が入った。2年前の台風で家が損壊したという石神町の70代女性は夫と訪れた。「熟睡できないだろうし、新型コロナの感染対策も不安だった」とためらいもあったが、避難所でテレビの台風情報や、外から聞こえる風の音を聞き「自宅よりも安全。避難して正解だった。2年前よりひどい台風だから怖い」とうなずいた。夜は読書などをしながら過ごし、台風の通過を待つという。
 九州電力によると、午後9時現在、佐世保や五島など14市町で約2万6370戸が停電した。

列車の運休を知らせる掲示板=JR長崎駅

 長崎自動車道や西九州自動車道、長崎バイパスなどは午後4時ごろから通行止めとなった。JR長崎、佐世保、大村各線は18日、始発から終日運転を見合わせた。JR九州は19日、始発から全ての列車の運転を見合わせる。松浦鉄道は18、19の両日で終日運休。島原鉄道は18日に運休し、19日は始発から運休するが天候の回復を待って再開を検討する。
 また県は18日、五島市の浦の川ダムで、河川の氾濫などを防ぐための事前放流を実施した。


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