山口乃々華,奥村佳恵,和田琢磨出演 新作ミュージカル『SERI〜ひとつのいのち』稽古快調

“多様性の暗闇に光を当てる“がテーマの conSept の新作ミュージカル『SERI〜ひとつのいのち』が東京と大阪にて上演。公演は10月6日より。
本作品では、母であり N.Yで働くキャリアウーマンとしての倉本美香氏本人の視点から8年間のお話が綴られた『未完の贈り物(2012年刊)』を原作とし、その千璃自身が感じたかも知れない事に想像を巡らせ、千璃とその 母・美香、父・丈晴の親子3人を通して、人と人が共感し共存するということの本質について問いかけていく。
タイトルロールの千璃役には 山口乃々華。千璃の母・美香を演じるのは奥村佳恵。そして女性二人を支える父・丈晴役に和田琢磨
9月、公開稽古が行われた。時節柄、オンライン。披露されたのは3つの場面。
まずは、冒頭のシーン。まだ、子供はまだ生まれていない、ごく普通の夫婦、「M1 SERI 〜ひとつのいのち〜」、生まれてくる命のことを想う。

どの夫婦も子供が生まれる前はワクワクする、男の子なのか、女の子なのか、名前は何にしようかetc.希望と幸せに満ちたナンバー、他愛のない会話、そんな幸せな二人を見ている、動く、お腹の中で動く子供、山口乃々華がお腹を押す仕草を見せる。「きっとあなたの物語♪」と歌う。誰にでも起こりうる物語。

それから披露されたのは、その次のシーン。「M2 誕生」、病院へ行こうとするところ。女の子なら名前は「セリ」、「千」と「璃」、合わせて「千璃」。幾千もの人々に愛されるように「千」、瑠璃⾊のガラス⽟「璃」。かけがえのない我が子、もうすぐ会える喜びと期待、そして想像する、大きくなって幼稚園に行き、学校へ行き、反抗期を迎えて、と”妄想”が広がる二人の気持ちを音楽が彩る。

そして病院へ行き、予定通り生まれたが…。

最後に披露されたのは「M8 タイムズスクエア/No Eyes」、乳母車を押して歩いている二人、ここはNY、さまざまな人種の人々が行き交う雑踏。

母親である美香は子供のことが気になる、無理もない、人生が変わってしまったと感じている美香。夫の丈晴は美香のことを気遣いつつ、おどけて見せる。そんな二人の佇まい、少し胸が痛い。

それから、質疑応答が行われた。かなり歌が多い印象、歌稽古については、「全曲揃ったところです。日々桑原まこさんに指導いただきながら、みんなで歌に向き合っている」と演出・振付の下司尚実。山口乃々華は「ハンデがあるということから、私の歌唱曲は少ないのですが、でもその中で身体で表現したりしています。状況としては、今は半分くらい進んだところでしょうか」と進行状況を説明。奥村佳恵は「やっと歌う歌を見せていただいたんです。まさにそんな状況ですね。ようやく始まったなといった感じ。これからどのように表現していくかと考えているところ」と語り、和田琢磨は「どのシーンではめ込まれるのかわかったので、これからブラッシュアップして、より感情を乗せていい歌を届けたいなという思いですね」とコメント。

稽古では、だいぶ出来上がっている印象を受けたが、これからさらに稽古を重ねる、本番が楽しみな状況。また苦労している点については「私自身が演じる千璃ちゃんが魂と実体とで分かれているので、その表現の違いですね。実態の部分でいえば年齢のところ。0歳から6歳、そして18歳を演じるのですが、私はいま24歳。なので実年齢よりもかなり下げなくてはいけなくて(そこが)ちょっと大変……。でも、そこも下司さんとお話していきながらがんばって、豊かな表現を伝えていければ」と山口乃々華。「歌う曲数がとても多いので、歌詞を間違ったりしないように。歌をちゃんと落とし込んで、シーンの中で前後の繋がりも含めて違和感なく歌えるようにしたいなと思っています。ひとまずは大変ですが、そこをクリアするとまたさらに新たな壁を乗り越えられるのではないかと。それを楽しみたいなと思っています」と奥村佳恵。「覚えることが多いので、稽古を重ねて体に染み込ませて、より小さな感情も表現できるようにしていきたいです」と和田琢磨。「普通のお芝居よりも考えなきゃいけないことがいっぱいあって。千璃ちゃんの命のエネルギーの輝きだったり、感情の起伏だったりをどういう感じで描こうかと、試行錯誤しながらやっています。すごく佳恵さんと和田さんのお芝居を見て“あ、こういうふうに千璃ちゃんを見せればいいのか”とイメージがいろんなところからイメージできていくので。もちろん山口さんからもアイディアをいただいたり。本当にみんなからエネルギーをもらって、千璃ちゃんをどう描こうか、試行錯誤を繰り返すのは大変ですけれど、なにか突破口を見つけられるような。そういう稽古を毎日、楽しんでいます」と演出家。

また舞台美術、転換については「まず、千璃ちゃんにあたっても痛くないような、開けていて、なにか優しさを感じさせる空間にしたい。それでいて、デパートとかにある子供が遊べるスペースというか、いろんな人が来ては楽しんでいく場所だったり、いわゆるセントラルパークのような。こういうのああいうのそういうのを美術の乗峯さんとお話しして“じゃあ、キューブ(立体)で場面転換していくのはどうだろう”ということになって。千璃ちゃんという命をキャストみんなで見守っていくような。流れを作っていきたいと思っていて。なのですべての道具はキャスト自身が転換して、1シーン1シーン景色を変えているんです」とのこと。

演じるにあたって大切にしたいことについて山口乃々華は「今回は、年齢というのもありますけれども、千璃ちゃん自身が持って生まれた障害、あとは運命のような。とくに障害に対してはあまり深く知らなかったので、原作を読んだり、いろんなところで勉強しました。ハンデを持った人物を演じるときはすごくセンシティブな部分があったり難しいけど、でも千璃ちゃんの持って生まれた愛くるしさや、みんなに愛される力を自分の中で見つけて大切にしながら演じたい」と山口乃々華。母・美香を演じる奥村佳恵は「私が持っている感覚なんですけど。千璃ちゃんの存在自体が、母にとっての救いだったり、舞台上に存在してくれる天使のような。千璃ちゃんを守ることで必死な一方で、実は千璃ちゃんに守られているような感覚なんですよね。これってなかなか気づける人っていないんですが。作品の中で魔法のような、奇跡のような、それがまさに起きる瞬間のシーンがあるんですね。そこかなんだか薄っぺらいものになってしまうとこの舞台自体が台無しになってしまう。なのでお芝居に説得力がもたせられるように、私自身も演技の魔法を自分にかけて奇跡を信じたいなと」と語る。父・丈晴役の和田琢磨は「今回の舞台装置はすごくシンプルなので、我々の肉体でお届けしなければならないところがたくさんある。そこで起きていることとか、自分が発することとか、周りのこととか常に新鮮さを持っていないと、作品の良さが伝わらない。常に新鮮さ、何か起きているのか、誰がどう思っているのか、キャッチアップして大切に演じていきます」とコメント。

公演は10月6日から16日まで博品館劇場にて上演される。その後、大阪にて22日より。オリジナルミュージカルにこだわり続けているconSeptの新作、稽古真っ只中!!

あらすじ
ニューヨークで暮らす美香と丈晴は子供を授かった。千璃と名付けられた女の子。
初めての子供に未来への希望と夢に膨らむ二人だったが生まれた子供には両眼ともに眼球がなく、知的障害も抱えていた。絶望し途方にくれる夫婦。特に母である美香は自身を責め、周りの目を気にし、そして意思疎通がままならない我が娘に困惑し疲弊していく。
ある日、思い詰めた美香はマンションの屋上から千璃とともに身を投げようとするが、そのとき屋上から見下ろしたマンハッタンのある情景を耳にした千璃が笑う。初めて目にした娘の笑顔に触れ、“この子と生きていこう”と強く誓う美香。
しかし、その決心の先には終わりが見えない千璃の手術、夫婦のすれ違い、周囲の非難、法廷闘争・・・など想像を絶する難題が幾重にも待ち受けていた。

概要
conSept Musical Drama #7『SERI〜ひとつのいのち』
日程・会場:
東京
2022年10月6日(木)〜16日(日) 博品館劇場
大阪
2022年10月22日(土)〜23日(日)松下IMPホール
原作:倉本美香『未完の贈り物』
脚本・作詞:高橋亜子
作曲・音楽監督:桑原まこ
演出・振付:下司尚実
出演:
山口乃々華 奥村佳恵 和田琢磨
植本純米 小林タカ鹿 樋口麻美 辰巳智秋 内田靖子 長尾純子 小早川俊輔
演奏:桑原まこ(Key.)、成尾憲治(Gt.)、山口宗真(Reed)、平井麻奈美(Vc.)
アソシエイト・プロデューサー:川村徹也
プロデューサー:宋元燮
後援:一般社団法人未完の贈物 / 製作支援:杉本事務所
企画・製作:conSept / 主催:conSept、関西テレビ放送

公式サイト:https://www.consept-s.com/seri/
Twitter https://twitter.com/consept2017
問合:info@consept-s.com
(C)2022,conSept LLC

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