「おじいちゃんと祭りや行事に立ちたい」親子4人が新人賞に合格 琉球民謡協会のコンクール

 【那覇】新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期となっていた琉球民謡協会(宮良康正会長)主催の第39回民謡コンクールが、第40回コンクールと同時期の6月に開催された。那覇市首里石嶺町の浜元盛方民謡研究所に通う中山亜希子さん(36)、亜月さん(13)、光喜さん(12)、來喜さん(10)の親子4人が新人賞に合格した。8月21日、4人に賞状とメダルが贈られた。

 次の目標は最高賞を取ること。4人は「コロナ後にはおじいちゃんと地域の祭りや行事に立ちたい」と意気込む。指導者の浜元さんは「基礎をもっと自分のものにして、たくさん勉強して頑張ってほしい」と期待した。

 亜月さん、光喜さん、來喜さんにとっては初の大舞台となった。亜月さんの呼び掛けで、本番1カ月前から部活や塾の帰りに祖父母の家で練習するなど、特訓を重ねた。祖父の奥原宗喜さん(65)は「最初はあまり声が出ていなかったが、だんだんとエンジンがかかってきているようだった」と話す。

 亜希子さんは20年以上前に三線を習っていたことがあり、2度目の新人賞合格となった。当日は「子どもが緊張して倒れないか」心配だったという。舞台裏では光喜さんが冒頭の歌詞を忘れるハプニングがあったが、母の心配をよそに光喜さんは隣の人に尋ねて本番を乗り切った。亜希子さんは子どもたちの成長ぶりを喜ぶ。

 4人が奏でるのは、亜希子さんの祖父から譲り受けた三線だ。亜希子さんは「(受賞を受けて)おじいが喜んでいるはず」と目を細めた。

 (比嘉璃子)

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