事業承継の課題、経営者らが共有 後継者少なく地域崩壊の危機感も 名護でセミナー

 【名護】事業承継啓発セミナー(主催・沖縄総合事務局、中小企業基盤整備機構沖縄事務所、県事業承継・引継ぎ支援センター、)が8月30日、名護市宮里のココノバで開かれた。経営者らが事業承継の経験を語り合い、課題などを共有した。

 座談会で創和メガネの上地貴文さんは、名護市で創業した父親が高齢のため、息子たちが会社を引き継いだ経緯を説明した。上地さんは「父が35年やってきた事業。コーヒー店を併設するなど新しい試みをやっている」と語った。上地さんは事業承継について「たくさんのお金と手間がかかる。そこが(一般的に)承継が進まない理由の一つなのかなと感じている」と分析した。

 食品製造業の渡具知代表の渡具知豊さんは「父のものづくりに対する姿勢を見て育ったので、父の仕事への感情が芽生え東京から帰ってきた」と事業承継への決断について語った。

 沖縄総合事務局の太田浩一中小企業課長は「県内では10社のうち7社に後継者がおらず、廃業も増えている。次の代につなぐことを考えないと活性化が難しくなり、地域が崩壊してしまうという危機感を持っている」と話した。

 (増田健太)

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