恐怖…スマホ見る無灯火の自転車同士が正面衝突、はねられた自転車の男性は車の上に 中学校で事故再現教室

乗用車に衝突した自転車の男性は車の屋根に飛ばされた=14日、川口市立安行中学校(同校提供)

 埼玉県川口市安行原の市立安行中学校(鈴木彰典校長、生徒数721人)の校庭で14日、プロのスタントマンたちが交通事故を再現して事故の恐ろしさを学ぶ「スケアード・ストレイト」が行われた。

 全校生徒が見守る前で、夜に無灯火でスマートフォンを見ながら走る自転車同士の正面衝突を再現した。片方の男性がヘルメットをちゃんと頭に固定していなかったために、転倒して頭に大けがを負った。    横断歩道に無謀に飛び出した自転車が乗用車にはねられる事故では、自転車の男性が車の屋根の上に飛ばされる模様も再現した。    事故を演じたのはシャドウ・プロダクションの社員たち。県警武南署が協力した。事故を見守った生徒たちは真剣な表情だった。1年生の金子晃暉さんは「事故はすごく怖いと思った。自転車と車は身近にある。普段の生活で気を付けないと事故になると思う」。同じく1年生の熊井彩乃さんは「事故は身近で起きる。私たち一人一人の意識を変えていかないと事故は減らないと思う」と話した。    「生徒たちは息をのみ、恐怖さえ感じ、貴重な体験になったようです。生徒たちの大事な命を守るための教室になった。今まで以上に交通安全の意識が高まったと思う」と鈴木彰典校長(64)は話した。

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