ゾウの「ハナ子」7回忌 佐世保・森きららで追悼イベント

生前の、水浴びを楽しむハナ子(同園提供)

 長崎県佐世保市船越町の九十九島動植物園(森きらら)のアイドルだったインドゾウのハナ子の7回忌イベント「ハナ子の思い出トーク」が14日、同園であり、来園者ら約30人が在りし日の姿に思いをはせた。
 ハナ子は1972年7月に推定1歳でタイから来園。甘えん坊な性格で、飛び石を渡る芸などを見せ来園者から愛された。2016年9月14日朝、担当飼育員が寝室で倒れているハナ子を発見。看病のかいなく午後3時28分に死んだ。推定45歳だった。
 7回忌の今年は、「ハナ子へ感謝の気持ちを届けよう!」と題し、10~16日まで旧ゾウ展示場前に献花台が設置され、ペンギン館1階ではハナ子の思い出の動画が流されていた。

ハナ子が生前遊んでいたボールを紹介する林田さん=佐世保市、森きらら

 14日は、4年間ハナ子を担当し、最後の飼育員となった林田茜さん(32)が、ハナ子の紹介や感謝の気持ちを話し命の大切さを伝え、午後3時28分に1分間黙とうした。林田さんは「飼育スタッフは仕事の中で動物の死に直面するけれど、亡くなっていく動物を忘れずに、後悔しないよう日々お世話をして、生き生きとした姿を来園者に見せられるようにしたい。ハナ子ありがとう」と悼んだ。
 約10年間毎日ハナ子に会いに来ていたという、同市船越町の主婦、高柳由美子さんは「ハナ子に会えなくて悲しい。どうぞ安らかに、そして園の他の動物たちのことを見守っていてほしい」と話した。


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