熊野古道であぶりアユ作り 秋の風物詩、和歌山

 熊野古道歩きの拠点の一つ、和歌山県田辺市の神社「滝尻王子」そばの土産物店で、あぶりアユ作りが進んでいる。近くを流れる富田川で夏に釣ったアユを備長炭でじっくりあぶって作る昔ながらの保存食。毎年この時期からお目見えする秋の風物詩だ。

 5匹ずつ縄にくくってつるした商品は3500円。アユは友釣りで取って冷凍保存。この時期に解凍して内臓を取り、串に刺して2日間、炭であぶる。今では珍しい保存法で人気が高い。

 販売している土産物店経営の木田豪さん(52)は20日、「地元の食文化として未来へつなげていきたい」と額に汗をにじませて炭火に向かっていた。

© 一般社団法人共同通信社