スーパーフォーミュラ・ライツ参戦のロベルト・メリ「2023年にSFに乗るためにベストな手段」

 9月24〜25日に岡山県の岡山国際サーキットで開催される全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権第6大会。今季の最終ラウンドとなるが、この大会に急遽、元F1ドライバーでもあるロベルト・メリがB-Max Racing Teamから参戦することになった。いまなぜスーパーフォーミュラ・ライツなのか、メリがスーパーフォーミュラ・ライツ公式サイトに目的と経緯を語っている。

 スペイン出身のメリは、2007年にフォーミュラ・ルノーに参戦を開始し、2011年にはヨーロピアンF3のチャンピオンも獲得した。さらに、2014年のF1イタリアGPではケータハムからフリープラクティスに参加したほか、2015年にはマノー・マルシャF1からF1に出走している経験の持ち主だ。

 そんなメリは2022年、第2戦富士からスーパーGT GT300クラスで片山義章と組みTeam LeMans Audi R8 LMSをドライブしているほか、FIA F2にもスポット参戦し表彰台を獲得するなど多くの経験をもっているが、スーパーフォーミュラ・ライツ第6大会岡山に急遽参戦が決まった。この参戦決定の報は元F1ドライバーの参戦だけに多くの驚きをもって迎えられたほか、海外でも報じられている。

 今回スーパーフォーミュラ・ライツに参戦することになったメリは、公式サイトに「ご存知のとおり、僕は今シーズン初めて日本を舞台に戦っているんだ。すべてが初めての経験だけど、スーパーGTを戦い日本で生活しながら、スーパーフォーミュラに出場する目標をもっている。もちろん日本が大好きだし、食事も街も大好きだよ。そして僕は、フォーミュラで戦うことも同様に大好きなんだ」と語っている。

「スーパーフォーミュラで心から戦いたいと思っている。今のスーパーフォーミュラは、F1の次にすごいカテゴリーだと思っている。クルマは素晴らしいし、速く大きなダウンフォースもあり、タイヤのグリップも大きいと聞いている。また“ビッグF3”のようにクイックだともね」

「僕たちのターゲットは2023年にスーパーフォーミュラのシートを得ることだけど、そのためにも今回スーパーフォーミュラ・ライツに出場することにしたんだ。もちろんどんなレースであれ、レースを戦うのは大好きだし、楽しみたいと思っている。新しいチーム、コースだしどうなるかは分からないけど」

 スーパーフォーミュラ・ライツの前身は全日本F3選手権であり、F3はメリにとってチャンピオンも獲得し“卒業”したカテゴリーだ。しかしメリは「スーパーフォーミュラに参戦するチームにアピールするにはベストな手段だと思っているよ。どうなるかは分からないけど、まあ見てみよう」と参戦の理由を語った。スーパーフォーミュラ・ライツのダウンフォースレベルは強大で、実際に多くのドライバーたちがスーパーフォーミュラの準備として最適なカテゴリーだと語っている。

「僕は9月までにずっと日本にいて、スペインには1週間しか帰ってない。その間、みんながレースをしているのに自分は東京にいたり、サイクリングでトレーニングをしたりしているけど、やっぱりフォーミュラで走るのは自分の身体にとっても素晴らしいトレーニングになると思うんだ。それに岡山はまだ走ったことがないからね。来年のスーパーGTに向けてもコースを覚える良い機会になるはずだよ」とメリは言う。

 メリは「今年から日本でレースを戦っているけど、スーパーGTの雰囲気は素晴らしい。僕は富士でのWECにも行ったけれど、スーパーGTの方がたくさん人がいて素晴らしい空気があったよ。日本のファンは世界でもベストで、たくさんのファンが僕をサポートしてくれる。今はこの素晴らしい日本という国でレースを戦いたい」と来季スーパーフォーミュラとスーパーGTでの戦いを希望すると語った。

 初めてのチーム、カテゴリー、コースで、若手ドライバーたちを相手にメリがどんな走りをみせるのか、注目したいところだ。

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