ゼネコン報道で神奈川新聞に対し抗議広告 小田原市「選定委員や弁護士の意見聞いていない」

小田原市役所

 小田原市立病院再整備の事業者選定委員会の開催直前に守屋輝彦市長らが応募業者の大手ゼネコンを訪問した問題を巡る議論が20日の市議会本会議で交わされた。「市長らの行動が市民に不正などの疑いを持たせる結果となった」と追及した野党会派に対し、市長派は「議会の立ち場から不正がなかったと言える」と市側を擁護した。 

 市は問題を報じた神奈川新聞社に対して公金27万円を使ってタウン紙に抗議の意見広告を掲載。「選定委員の名誉を傷つけた。訴訟も視野に検討する」としたが、市側は抗議に当たり「選定委員からも市の顧問弁護士からも意見は聞いていない」と明かした。

 視察に同行した八木大二郎政策監についても「議会が選任の承認もできず、議会答弁に立たないのに報酬は年間1千万円。なぜ副市長でなく政策監が視察に行くのか」と守屋氏が抜てきした“懐刀”にも批判の矛先が向いた。八木氏とは県議時代の同僚だった市長は「市長の指示で能動的、機動的に動く役職で重要な施策の推進役として成果を上げている」と強調した。

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