足柄上病院産科を小田原市立病院に集約 22年度末に神奈川県方針 「安全な分娩体制確保」

県立足柄上病院(資料写真)

 神奈川県の黒岩祐治知事は20日の県議会本会議で、県立足柄上病院(松田町)の産科を本年度末で小田原市立病院(同市)に集約させる方針を明らかにした。「県西地域で安全で安心な分娩(ぶんべん)ができる体制を確保するため、本年度末で集約する予定だ」と表明した。

 足柄上病院は産科医不足や新型コロナウイルス禍を受け、2020年度から産科の受け入れを休止している。県や小田原市などは21年、分娩機能を同市立病院に集約する方針で合意していたが、具体的な時期は関係者間で調整を続けてきた。

 知事はまた、足柄上病院の再整備について「県西地域は面積が広く、医療資源も少ない地域であるため、二つの公立病院が連携・協力体制をより強化して、地域の医療提供体制を構築していくことが大変重要だ」と強調。回復期、救急、感染症、災害時の四つを柱として、診療機能を強化させると説明した。

 自民党の小澤良央氏の一般質問への答弁。小澤氏は「産科集約に当たっては丁寧に地域の意見を聞きながら進めてほしい」と求めた。

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