静岡県内でも普及が進んでいる生ごみ処理容器「キエーロ」。名前の通り、生ごみが消えてしまうんです。
料理をするとどうしても出てしまうのが「生ごみ」。家庭から出る燃えるごみのうち、およそ4割が生ごみといわれています。
<篠原大和カメラマン>
「生ごみは水分を含んでいて燃やすときに多くの二酸化炭素を出すと言われています。生ごみを燃やすのではなく分解して消してしまうのがキエーロです」
木製のフォルムがかわいらしい「キエーロ」生ごみ処理容器です。全国の家庭などで普及が進んでいて、島田市では、容器の購入代金の半額を補助しています。
<島田市地域生活部環境課 山本耕大さん>
「キエーロの容器の中には土が敷き詰められていて、黒土の中には微生物がいて、微生物が生ごみを分解して消滅させる仕組みです。ごみの減量やごみ焼却時の二酸化炭素を減らすことが期待できます」
使い方はとっても簡単。スコップなどで深さ20センチほど穴を掘って、その中に生ごみを入れます。季節にもよりますが500グラムの生ごみなら一週間ほどで消えてしまいます。
土と混ぜ合わせて蓋をしたら、これでおしまい。あとは微生物が頑張ります。火山灰や落ち葉などからできた黒土の中には、無数の微生物がいて、生ごみを分解してくれます。処理が大変な使用済み油もキエーロにはごちそうです。油は微生物の働きを活発にして、生ごみの分解を早めます。
<島田市地域生活部環境課 山本耕大さん>
「(油も)キエーロならただ入れるだけで片付けが終わるので後処理も非常に楽です」
島田市では、市民モニターを募って3年間実証実験をしましたが、1世帯あたり月平均でおよそ9キロの生ごみが消えたということです。
島田市内に住む杉本さんです。キエーロを3年以上使っています。
<杉本真美さん>
「こんなに楽だったのかと。匂いも特に気にならないですし、虫も出ない。この中に微生物というペットがいると思ってペットに餌をあげるような気持ちでやっています」
キエーロを使い始めて、暮らしにも変化が生まれたといいます。
<杉本真美さん>
「ごみを出す日を気にしなくていいのが一番ですね。可燃ごみの日が週2回あるんですけど夏の季節だと、ごみの日の前日にスイカを食べたりすると思うんですけど、そういうのを気にしなくて、スイカの皮でもなんでも入るので、その生ごみをちょっと自分の力の範囲内で処理をすることで環境のことに関われるのもすごくうれしい」
生ごみを消して、CO2の排出量も減らす。家庭の小さなアクションと目に見えない微生物の力が地球温暖化の防止に大きな効果を生みそうです。