福井の眼鏡産業の礎を築いた増永五左衛門や妻むめらの奮闘を描く映画「おしょりん」の制作委員会は、2023年秋の劇場公開に向けたPR費用を、福井県のふるさと納税型クラウドファンディング(CF)で募っている。10月31日まで。
目標金額は100万円。全国150館以上での上映を目指し、PRビデオやポスター、チラシ制作費の一部に充てる。
制作委の新道忠志委員長(SHINDO代表取締役会長CEO)は「『おしょりん』を通し全国にふるさと福井を知ってもらい、眼鏡産業の遺産や歴史を次世代に伝えたい」と強調。北陸新幹線の県内開業を24年春に控え、映画で描かれたものづくりへの熱い心や福井の文化、風景などを多くの人に届け、県内観光の促進、移住へとつなげていきたい考え。
寄付はCFサイト「レディーフォー」から。福井県へのふるさと納税として扱われ、寄付金のうち2千円を超える部分は住民税のおおむね2割を上限に、所得税と合わせて全額が原則控除・還付される。
おしょりんは、作家の藤岡陽子さんが2016年に発表した同名小説が原作。農閑期に新たな産業を興そうと眼鏡作りに取り組んだ五左衛門と妻むめらを描く。22年2月からオール県内ロケで撮影を開始し、4月末まで国重要文化財の旧谷口家住宅(越前市)や萩野小旧笈松分校(越前町)など11市町で全てのシーンを撮った。
監督は児玉宜久さん。主演のむめ役を北乃きいさん、五左衛門役を小泉孝太郎さんが務める。津田寛治さんら福井出身の俳優も出演し、子役やエキストラに多くの県民が起用された。