基準地価、福井市の商業地30年ぶりに上昇 北陸新幹線に期待感、福井県全体は下落幅縮小

30年ぶりに地価が上がった福井県福井市の商業地の中で、顕著な上昇がみられたJR福井駅東口周辺(左)=7月23日、福井新聞社ヘリから撮影

 福井県が9月20日発表した県内の基準地価は、福井市の商業地の平均変動率が前年比プラス0.2%となり、1992年以来30年ぶりに上昇へ転じた。2024年春の北陸新幹線県内開業への期待感がJR福井駅周辺で高まっているほか、新型コロナウイルス感染拡大の影響も緩和したためとみられる。県内全体の商業地は、前年比マイナス1.1%で30年連続の下落となったが、下げ幅は0.3ポイント改善した。

 福井市の商業地は平均価格が1平方メートル当たり10万1200円。前年の平均変動率はマイナス0.3%だった。北陸新幹線県内開業への期待感などからJR福井駅東口で顕著な価格上昇がみられたほか、再開発が進む駅西口でも上昇傾向が続く。新型コロナの影響が過去にみられた地点では価格上昇の伸びがみられるなど影響は緩和している。

 このほか、商業集積地の同市大和田エリア周辺でも価格上昇が続いており、同市の商業地全体の価格上昇に寄与した。

 敦賀市の商業地の平均変動率は前年と同じ0.0%で横ばい。ただ、新幹線開業に向けた整備が着々と進むJR敦賀駅周辺は上昇が続いている。

 住宅地全体の平均変動率はマイナス1.2%で25年連続下落しているが、下落幅は0.1ポイント縮小した。福井市への交通利便性が高く住環境が優れた近郊で価格上昇がみられ、鯖江市などで新たに6地点が上昇した。

 前年より地価が上がったのは住宅地が21地点(前年16地点)となり、2年連続で増加。商業地は10地点(同10地点)だった。

 県内の基準地は214地点(住宅地127地点、商業地80地点、工業地2地点、林地5地点)で7月1日時点の鑑定評価としている。1平方メートル当たりの平均価格は住宅地が2万9400円、商業地が5万5500円だった。

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