元MVPのウィルスが89歳で死去 1962年にメジャー新記録の104盗塁

日本時間9月21日、ドジャースなどで活躍し、1960年から6年連続で盗塁王のタイトルを獲得するなど通算586盗塁をマークした韋駄天モーリー・ウィルスが89歳で死去したことが明らかになった。ウィルスを慕い、ウィルスの背番号「30」を受け継いでいるドジャースのデーブ・ロバーツ監督は「モーリーは個人的にも、プロとしても、私にとても大きな影響を与えた人物だった。彼がいなくなるのはとても寂しい。彼の死は私にとってタフなことだ」と語った。

ウィルスがその名を全米に轟かせたのはメジャー4年目の1962年、タイ・カッブが持つシーズン96盗塁(1915年)のメジャー記録を塗り替える104盗塁をマークしたときだった。この年、ウィルスはナショナル・リーグMVPに選出。このほか、オールスター・ゲームにも5シーズン選出され、ゴールドグラブ賞2度、ワールドシリーズ制覇3度、オールスターMVP1度など輝かしい実績を誇る。ドジャース時代の490盗塁は現在も球団記録となっており、ドジャース、パイレーツ、エクスポズで合計14年間プレーし、通算1942試合に出場して2134安打、打率.281、20本塁打、458打点、586盗塁、OPS.661をマークした。

ウィルスがドジャースに入団したのは殿堂入り選手のピー・ウィー・リースが不動の正遊撃手として活躍していた時期であり、ウィルスは入団からメジャー定着までに8年半を要した。スロースタートだったにもかかわらず、メジャーで14年間プレーして40歳で引退。1980~81年にはマリナーズで監督を務めたこともある。2004年、ウィルスはメジャーリーグ公式サイトの取材に対して「子供のころ、1番の願いはメジャーリーグでプレーすることだった。14歳のときにジャッキー・ロビンソンの話を聞いてドジャースでプレーしたいと思ったんだ。ジャッキーと一緒にプレーすることはできなかったけれど、ドジャースでプレーすることができた」と話していた。

ちなみに、1962年に104盗塁をマークしたウィルスだが、これは他のどのチームよりも多い数字だった(198盗塁のドジャースを除いた最多盗塁チームはワシントン・セネタースの99盗塁)。なお、息子のバンプ・ウィルスはメジャー6年間で通算196盗塁を記録し、1983~84年には日本プロ野球の阪急ブレーブスでもプレーした経験がある。

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