長澤まさみ主演「エルピス」の吉田ユニによるポスタービジュアル完成

長澤まさみ主演を務め、フジテレビ系で10月24日にスタートする連続ドラマ「エルピス―希望、あるいは災い―」(月曜午後10:00=関西テレビ制作)のポスタービジュアルが完成した。

ドラマは、実在の複数の事件から着想を得て制作された社会派エンターテインメント。スキャンダルによってエースの座から転落したアナウンサー・浅川恵那(長澤まさみ)と彼女に共鳴した仲間たちが、犯人とされた男性の死刑が確定した冤罪(えんざい)疑惑を追う中で、一度は失った“自分の価値”を取り戻していく姿を描く。恵那と共に行動するうだつのあがらない若手ディレクター・岸本拓朗を眞栄田郷敦、恵那と拓朗の先輩で報道局のエース記者・斎藤正一を鈴木亮平が演じる。

ポスタービジュアルを手掛けたのは、国内外で活躍の場を広げるアートディレクター・吉田ユニ氏。吉田氏は、独特の世界観で、数多くのアーティストのCDジャケットやミュージックビデオのほか、数々のファッションブランドなどのアートディレクションを担当してきた。今回、グレーを基調とした背景に浮かび上がる3人の周りには、大量の資料が山積みにされ、そのズレがそれぞれの輪郭として描かれている。撮影は、吉田氏のこだわりが凝縮された、緻密かつアナログな手法で行われ、数々のピースを幾重にも織り成すことで、ドラマの中で描かれる人間の生きざまや複雑に交じり合う感情を表現したビジュアルになっている。

吉田氏は「脚本を読ませていただき、事件の真相を追っていく過程で起こる気持ちの葛藤を繊細に表現したいと思いました。埋もれた真実に向き合う混沌としたグレーの世界観で、山積みに置かれた仕事の書類などの色を合わせながらずらし、身の回りで起こる痛みやゆがみ、破綻などを映像のバグやノイズのように見立てて作りました」と意図を明かしている。

さらに、新たなキャストとして池津祥子、六角精児の出演も決定。池津が演じるのは、首都新聞政治部の記者・笹岡まゆみ。通常、事件を担当する社会部に所属していないにもかかわらず、ある理由から女性連続殺人事件を追跡取材している。資料や原稿を整理整頓するのが苦手で、おっちょこちょいな性格だが、取材力や推理力には光るものがある。

一方、六角が扮(ふん)するのは、死刑囚・松本良夫(片岡正二郎)の裁判を担当する弁護士・木村卓。一連の女性連続殺害事件を報道したマスコミに対して相当な不信感を抱いている中、捜査を担当した警察や検察の背景に「何か大きな権力が存在するのでは?」と疑っている。

池津は「日々飛び込んでくる痛ましい事件、理不尽なニュース。心のどこかを麻痺(まひ)させないと生きづらい世の中。そんな状況に疑問を持ち、自分を、信じたい世界を取り戻すためにもがきながらも前に進もうとする人物たちの『信じる力』を台本に感じました。重いテーマを真摯(しんし)に軽やかに描いたこのドラマには、魅力的な登場人物がたくさん出てきます」とアピール。加えて「その中の誰かを『これは私だ』と視聴者の皆さまにもきっと思っていただけるのでは。『よりよき世界を願う』そんな祈りのような作品に参加できることがうれしいです。どうぞ皆さまにも楽しんでいただけますように」とメッセージを寄せている。

六角は「深くえぐったストーリーだなと思いました。人間の生きる心理みたいなものを、ちまたの流行とは関係のないところで、社会的事件を通じて描いているところが好きですね。冤罪事件に関わる弁護士という、一癖ある感じの役はとてもやりがいがあり、できるだけリアリティーをもたせて演じたいと思っています。登場人物の感情の流れを忠実に、かつ繊細に描写したこの作品をじっくりと味わっていただければ幸いです」と語っている。

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