宮城・鳴子温泉郷での風力発電計画 渡り鳥への影響について住民団体らが再調査求める

宮城県大崎市の鳴子温泉郷の周辺で進められている、大規模な風力発電施設の建設計画についてです。このうち六角牧場の風力発電事業に関して、地元住民らが渡り鳥に悪影響を及ぼす可能性があるとして事業者に対し再調査を求めました。

鳴子温泉郷の周辺では3つの風力発電事業が計画されていて、このうち大崎市と栗原市にまたがる六角牧場では、札幌市の事業者が最大で20基の風車をつくる計画です。

この計画に反対する住民団体や野鳥保護の団体が会見し、大崎市の鳥であるマガンや絶滅危惧種のシジュウカラガンなど渡り鳥への影響について事業者に公開質問状を提出したと発表しました。

六角牧場での建設計画をめぐっては、村井知事が2021年の意見書で「地域の野鳥保護関係者と共同で調査を行うことが望ましい」との考えを示していました。

日本雁を保護する会呉地正行会長「(事業者は)知事の意見を無視して(単独で2〜3月に)調査を行なった。(渡り鳥への)影響は少ないと言うが、どう見てもそうは考えられない」

事業者は予定地の上空を飛ぶ渡り鳥は「ごくわずか」との調査結果を示していますが、住民団体が予定地の付近で行った調査では、約1万5700羽の渡り鳥を確認していたことから共同での再調査を求めました。

一方、事業者はkhbの取材に対し「雪深い場所であり、共同調査は物理的に困難」、調査結果の差については「精度の違いによるもの」と話しました。

県は環境アセスメントの手続きを進めていて、今後、渡り鳥調査の妥当性も含めて審査します。

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