「今まで足りなかった最高級で起爆剤に」熱海の一等地に全室“バトラー”付きホテル誕生 その狙いは?

長引く新型コロナの影響を受ける静岡県の観光地・熱海。観光再生の起爆剤として期待されるホテルが9月26日にオープンします。ターゲットは40代以上のミドル層からシニア層。新しいホテル像を探ります。

静岡県熱海市の熱海サンビーチの目の前という抜群のロケーションにオープンするのは、「熱海パールスターホテル」です。地上10階建ての大型ホテルで客室数は87にのぼります。ホテルの売りは「高級感」。和を基調としたモダンなつくりのロビー。

<バトラー>

「いらっしゃいませ。熱海パールスターホテルへようこそ。ご案内差し上げます」

出迎えてくれたのは、熱海のホテルでは初となる「バトラー」。バトラーとは、宿泊客の世話をする専属の客室係のことで、全ての部屋にバトラーが配置されます。

スタンダードの部屋は1泊7万円からで、すべての部屋で温泉を楽しむことできます。プレミアムスイートの部屋は1泊30万円から。ツインのベッドが2つとリビングに和室、そしてキッチンも完備。露天風呂では雄大な相模灘を一望できます。

<熱海パールスターホテル 安達実総支配人>

「40代、50代のミドル層のところと60歳以上のシニア層。そこの部分がメインのターゲットになるかなと思っています」

若い世代に支持されている熱海ですが、ミドル層、シニア層も納得させる狙いです。最上階には自家源泉を利用した空と海の一体感が味わえる“インフィニティバス”や最新のフィットネスジムが備えられています。

<熱海パールスターホテル 安達実総支配人>

「インバウンドも入ってくると思いますし、国内の方々の旅行の形態が変わってくると思うので、そこにどう対応していくかを日々考えなくてはいけないと思う」

ホテルの目の前に立つ「貫一・お宮の像」。尾崎紅葉の小説「金色夜叉」の主人公として知られ、熱海を象徴するメインストリートです。ここにはかつて熱海を代表する老舗ホテル「つるやホテル」がありました。閉館後20年あまり放置されたままで、地元も開業を歓迎します。

<熱海温泉ホテル旅館協同組合 森田金清理事長>

「今まで熱海に足りなかった最高級のラグジュアリーホテル。この分野をパールスターさんが占めていただくことによって、新しい今まで今まで熱海に来なかった国内国外の富裕層のお客様が来ていただけることに期待しています」

パールスターホテルは、夕食を外で食べることができる「泊食分離」を掲げています。夕食は街に出て観光地・熱海の雰囲気を満喫してもらいたいと考えています。

<熱海パールスターホテル 安達実総支配人>

「熱海と一緒に大きくなっていきたいという気持ちで泊食分離をさせてもらってる。まわりの熱海自体が(飲食店が)活性化していく」

高級大型ホテルの開業が、コロナ禍における熱海活性の起爆剤となるか注目です。

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