立ち上がる五輪戦士 柔道・山下 水泳・塩浦らチャリティーイベント

 熊本県を中心に相次いでいる地震による甚大な被害を受け、リオデジャネイロ五輪競泳日本代表の塩浦慎理選手(24)=湘南工大付高出身=らが17日、相模原市中央区の市立総合水泳場で開かれた東日本大震災の被災地支援イベントの会場で募金活動を行った。

 このイベントは、岩手県内の高校生スイマーを招いて一緒に泳ぎを楽しむ「チャリティースイム・イン・さがみはら」。ことし6回目を迎えた市水泳協会主催の催しには、招待された岩手県立釜石高校と高田高校の水泳部員43人と市民ら約2千人が参加した。

 会場では塩浦選手のほか、パラリンピックで15個の金メダルを獲得し、今夏のパラリンピックにも出場する川崎市出身の成田真由美選手(45)らがサイン会とともに募金活動を実施した。塩浦選手は「熊本には大学の同級生や友人がたくさんいる。これから大変な時期が続くと思うので心配」と思いを寄せていた。■全柔連・山下副会長 「天に祈る」支援を訴え 全日本柔道連盟の山下泰裕副会長は17日、故郷の熊本県などに被害をもたらした地震について「早く収まり、被害がこれ以上広がらないよう天に祈る気持ちだ。一日も早く本来の生活が戻るために支えていきたい」と目を潤ませながら話した。

 東海大阿蘇キャンパスに通う学生から、損壊したアパートの下敷きとなるなど複数の犠牲者が出た。同大副学長も務める立場で「非常に心を痛めている。心からお悔やみ申し上げたい」と述べた。

 全日本女子選手権が開かれた横浜文化体育館では試合前に黙とうがささげられ、山下副会長や52キロ級の中村美里選手(三井住友海上)らリオデジャネイロ五輪女子代表3人を含めた関係者が募金箱を手に会場入り口で呼び掛けた。義援金活動に加わった日本男子の井上康生監督は宮崎県出身。「幼少のころは熊本で試合をさせていただき、親しみもあるので非常にショック。五輪では日本の底力を見せたい」と話した。

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