旅人へひとこと
大阪に一番近い兵庫県の都市、尼崎市。ディープな下町を味わうには一日じゃ足りません!
グルメ旅をしたければ、その町で働く公務員に聞くに限る(と決めつける)「公務員グルメ旅」
第6弾は兵庫県尼崎市へ。
尼崎市は兵庫県南東部にあり、兵庫県のまちとしては唯一大阪市に接しています。
電話の市外局番も大阪市と同じ「06」なので、神戸よりも大阪に近い雰囲気を持った下町です。
大坂夏の陣のあと、大坂を直轄地とした江戸幕府が西の守りをして尼崎城を築城し、城下町として栄えました。
城下町の趣はあまり残ってはいませんが、尼崎城築城時に移転させられたという寺院が密集した寺町が一角に残っていたり、阪神工業地帯として発展した工場の夜景が撮影スポットになったりと多面的な魅力を抱える面白いまちです。
尼崎市の楽しみ方は色々ありますが、今回は案内人おすすめのB級グルメを食べ尽くします。
大衆中華の名店『新ちゃん』
一店目は『新ちゃん』、昭和39年創業、座席はカウンター10席程度。
平日でも昼間は店前で行列ができる人気のお店です。
一品目は「ぎょうざ」(250円)
フライパンでこんがりと焼き上げた焼き餃子。写真は2人前ですが、4人前だとまん丸の花盛りで提供されます。
酢醤油に和辛子をちょんと付けて、熱々のままでほおばるのがイイ感じ。
油で揚げ焼きしているので、餡のうま味がしっかりと包まれています。
「焼きめし」(450円)は、ご飯粒がしっかりとパラパラになっており、均一化された味でシンプルかつうまい一皿。
最後は「焼きそば」(450円)、細くカットしたキャベツと豚バラのみのこちらもシンプルな具材で作られています。
ソースとキャベツの甘みがしっかりとしており、麺の固さもばっちり。
コスパが良すぎて、お腹いっぱいです。
新ちゃん
〒660-0864 兵庫県尼崎市東桜木町96
思ったよりもボリューミーなランチだったので、次はどこか面白いところをということでこちらをご紹介。
「尼信(あましん)」こと尼崎信用金庫の旧本店にある私設博物館『世界の貯金箱博物館』です。
24,000点を超える貯金箱が見られる『世界の貯金箱博物館』
昭和40年頃から「貯蓄と人々の暮らしの関わりを示す貴重な資料」として尼崎信用金庫が収集していたものに加え、多数の寄付で集められた24,000点を超える様々な貯金箱を見ることができます。
館内には、達磨や七福神、招き猫といったクラシックなものから、金融機関が預金者に手渡すようなノベルティや世界各国の珍しい貯金箱まで勢揃い。
尼崎市出身のダウンタウンさんの貯金箱や、
土地柄というか「尼信」らしい阪神タイガーズの貯金箱もありました。
お隣の『尼信会館』では、世界の記念硬貨などを収集した展示もあって、金融機関らしい面白い博物館だと思います。
尼崎信用金庫 世界の貯金箱博物館
〒660-0863 兵庫県尼崎市西本町北通3丁目93
冷えてもうまい商店街の天ぷら『日新天ぷら店』
阪神尼崎駅の北側には、3つの商店街がほぼ隣駅の出屋敷駅近くまで長く繋がっています。中にはシャッターが閉まったままのお店もありますが、商店街の中に「シェア型図書館」を作ろうという試みをやっていたり、「ガサキングα」なる怪獣が登場したりと面白いことを続けています。
そんな商店街の一つ、三和本通商店街で営業しているのが『日新天ぷら店』さん
大きな油鍋で親娘三代で続ける天ぷら店は、飾り気なしで近くに住んでいたらふらっと買いに行きたくなるお店です。
揚げたてがおいしいのはもちろんのこと、衣がほのかに甘く、冷めてもおいしいのがここの天ぷらと案内人から一言。ポテっとしたイカ天をいただきましたが、これがソースなどを付けなくてもそのままで本当においしい。おやつ感覚で食べられます。イベントへの出店時には、火力の問題で、お店で揚げてピストン輸送で会場に持っていくとのことなので、もしも見かけたらぜひ一度お試しを。
日新天ぷら店
〒660-0871 兵庫県尼崎市建家町83
サクッとした荒めの衣が心地良い『あさひ 尼崎本店』
尼崎市での食べ歩きも終盤戦。
ガード下の串カツのお店『あさひ 尼崎本店』へ。
ちょい飲みには最適の串カツ。大阪も串カツは定番メニューですが、案内人によると、大阪の串カツとはちょっと違うと言います。玉ねぎ・海老・じゃが芋・スナックエンドウ・とりささみの「5本セット」は660円。概ね1本132円から200円前後の価格で季節の櫛物や変わり串も提供しています。
大阪で定番の串カツとの違いは衣。
大阪の串カツの多くは衣が細かく薄いのですが、こちらは衣は荒めでザクッとした食感が特徴的です。
ウスターソースをベースにした甘口、辛子が効いている辛口のソースが用意されているので、二度漬け禁止文化圏から離れているのも嬉しいところです。
串かつ専門店あさひ 本店
〒660-0884 兵庫県尼崎市神田中通2丁目28
〆までうまい下町グルメの王者『てっちゃん鍋やすもり』
尼崎グルメ旅の最後はこれまたガード下の名店『てっちゃん鍋やすもり』へ。
「ニンニクの芽とニンニク入れた方がおいしいけどいれるか?」と最初に聞かれる「盛り合わせてっちゃん鍋」(1,980円・写真は2人前)
鉄鍋でニンニクの芽を軽く炒めたあとに、ホルモンを投入。そして、わしづかみにした大量のもやしをかぶせて蒸し焼きの状態にします。
ニラ、糸こんにゃく、豆腐を添えて、創業以来継ぎ足しで作っているという特製の味噌だれを回しかけます。
鍋奉行は完全におやっさんにお任せ。
「ほら、もやしと黒いの(ホルモン)は食べてええで、白いの(てっちゃん)はもうちょっと待ってや」
まだシャキッとした食感の残るもやしにタレが絡んで抜群においしく、ホルモンはそれに輪をかけて新鮮でうまい。
話し好きのおやっさんと色んな話をしながら、お酒が進みに進みます。
鍋ができるまでのアテにと思って、「生センマイ」を頼んだら、
「めっちゃうまい食べ方教えたるわ」と、鍋の端で少し焦げたタレを付けて食べることを教えてくれたり、楽しい時間が流れます。
〆の麺までちゃんとお腹のスペースを残しましょう
鍋の〆といえば麺。こちらのてっちゃん鍋でも、最後は中華麺(又はうどん)を投入します。鍋がおいしいからって肉やもやしを追加しすぎて麺まで食べられないってことがないように調整してください。
鍋の最後は中華麺(2人で1玉)と玉子を入れてグツグツと軽く煮込みます。
秘伝のタレ以外の水分はほぼもやしのみ。ホルモンのうま味をたっぷりと吸った濃厚なタレにほろっと崩れる玉子の甘みが混ざった〆の麺は最高でした。
やすもり 尼崎本店
〒660-0884 兵庫県尼崎市神田中通3丁目85
地元の公務員の案内人のおかげで、たっぷりと尼崎を堪能させていただきました。……が、「もっともっとあるで」とのことなので、ぜひまた訪れたいと思います。
おいしかった~
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ライター:があ