2022年ワールドカップの開幕まで60日ほどとなった。ここでは、今大会が絶望視・不安視されている選手たちをまとめてみる。
ジョルジニオ・ワイナルドゥム(オランダ代表)
ローマ所属の31歳
代表では副キャプテンとして重要な地位にあったが、リヴァプールからPSGへの移籍で運命は暗転。
パリで不安定な立場に置かれたことで代表から外れると、この夏にはローマへの移籍を決断した。
だが、W杯に出場するための移籍だったはずだが、8月末に脛骨骨折する重傷を負ってしまう。復帰時期は未定だが、W杯メンバー入りは絶望視されている…。
ポール・ポグバ(フランス代表)
ユヴェントス所属の29歳
マンチェスター・ユナイテッドでは苦しんだが、代表では中盤に欠かせぬ存在として君臨してきたMF。
この夏にはユヴェントスに復帰し、W杯に万全の状態で臨むばずだった。だが、プレシーズンに半月板を損傷。
長期離脱を避けるために保存療法を選択したが、結局、手術を受けることに…。ユーヴェ監督は1月に戻ってくると述べており、W杯出場は絶望的になった。
エンゴロ・カンテ(フランス代表)
チェルシー所属の31歳
ポグバとともにレ・ブルーの中盤を支えてきた超人ボランチ。
昨季は近年の低迷から復活したが、また負傷に悩まされている。今季は2試合に出場した後、8月のトッテナム戦でハムストリングを故障。それ以降は離脱が続いており、まだ175分しかプレーしていない。
また、ポグバ同様に旧友からの恐喝被害に遭っているとも噂されている。
アントワーヌ・グリーズマン(フランス代表)
アトレティコ・マドリー所属の31歳
ディディエ・デシャン代表監督に寵愛され、レ・ブルーで100試合以上に出場するなど絶対的な存在に君臨してきた。
ただ、バルセロナの買取り義務条項の影響で、今季はプレータイムが1試合30分以下にほぼ制限されており、先日ようやく先発フル出場した。
両クラブが設定額より低い移籍金で完全移籍に合意するという話も出ており、そうなった場合には制限がなくなるかもしれない。
クリスティアーノ・ロナウド(ポルトガル代表)
マンチェスター・ユナイテッド所属の37歳
代表ではサッカー史上最多となる117ものゴールを積み上げてきたレジェンド。
この夏には移籍を希望していたために、プレシーズンに参加せず。結局、クラブに残留することになったが、エリック・テンハフ新監督のもとでは控えが定位置になりそう。
自身初参戦となったELでは先発起用されおり、今季8試合目でようやくPKによる初ゴール。ベンチが定位置になるロナウドはこれまでありえなかったことだが…。
ただ、本人はEURO2024にも出るつもりのようだ。
マーカス・ラッシュフォード(イングランド代表)
マンチェスター・ユナイテッド所属の24歳
ロナウドに代わって、ユナイテッドの最前線で起用されているラッシュフォードだが、代表での立場は危うい。
昨季は4ゴールと絶不調に陥り、退団説もまことしやかに囁かれたほど。2021年7月以降、代表から遠ざかっている。今季は3ゴール2アシストと存在感を発揮しているが、9月の招集では28名枠からも外れた。
その一方、ブレントフォードで5ゴールとブレイク中の26歳FWイヴァン・トニーが初招集。ギャレス・サウスゲイト監督は「トニーはずっとチェックしていた。得点力だけでなく、テクニック、ビルドアップ力、空中戦の強さは、他の代表選手にはない脅威を与えてくれる」と賞賛。
そのうえで、指揮官は「今回参加していない選手が終わりというわけではない。ラッシュフォードもそうだ。彼は最近心強い兆候を見せており、検討の対象になる」とも述べているが…。
ジェイドン・サンチョ(イングランド代表)
マンチェスター・ユナイテッド所属の22歳
昨季、100億円を超える移籍金でユナイテッドに加入したサンチョだが、チーム同様に低調に終わった。
今W杯予選に出場したのはわずか1試合で昨年10月以降は招集されていない。
今季はラッシュフォード同様に復調を見せているものの、サウスゲイト監督は招集を見送り。
本人は「招集されなかったのは残念。でも、集中とハードワークを続けるのみだ」と意気込んでおり、残り2か月が勝負になる。
エディンソン・カバーニ(ウルグアイ代表)
バレンシア所属の35歳
ウルグアイを支えてきたルイス・スアレスとの2トップは今夏岐路に立たされた。
アトレティコ・マドリーを退団したスアレスが古巣ナシオナル復帰を選んだ一方、マンチェスター・ユナイテッドを退団したカバーニは移籍先がなかなか決まらず。
8月末にバレンシア移籍が決まったが、今季はまだ1試合(72分)しかプレーしていない。
そのため、9月の代表招集は辞退して、クラブでコンディションを上げることを選択。ここからトップフォームに持っていくことはできるだろうか。
アルトゥール(ブラジル代表)
リヴァプール所属の26歳
チャビの後継者としてバルセロナに招かれた秀英MFだが、謎のトレードでユヴェントスに放出されて以降は輝きが失われつつある。
ユーヴェで構想外のような立場に立たされるとリヴァプールに電撃移籍。だが、イングランドでも出場機会は限られており、早くもローン打ち切り説が浮上したほど。
W杯予選でも2試合にしか出場しておらず、最近はほぼ構想から外れており、自身初のW杯出場は厳しくなってきた。
フィリペ・コウチーニョ(ブラジル代表)
アストン・ヴィラ所属の31歳
アルトゥール同様に9月の招集から外れたコウチーニョ。
今年1月にバルサからヴィラに移籍するといきなり活躍し、復帰したセレソンでもスーパーゴールをぶち込んだ。
このまま一気に復活かと思われたが、徐々にその勢いは失速。今季は8試合で0ゴール・0アシストと低迷しており、スティーヴン・ジェラード監督の解任危機の要因になってしまっている。
このままなら落選が濃厚だが、大復活はなるだろうか。
ケイロル・ナバス(コスタリカ代表)
PSG所属の35歳
レアル・マドリーでもプレーし、代表では100試合以上に出場してきた絶対守護神。
今夏はナポリへの移籍が実現せず、PSGに残ることになったが、ここまで1分もプレーしていない。背中を痛めていることもあり、本大会前最後になる9月の代表戦招集は見送られることに。
ルイス・フェルナンド・スアレス監督は「一番テストする必要がない選手はナバス」と絶対的な信頼を寄せているが、コンディション面は不安なはずだ。
マルコ・ロイス(ドイツ代表)
ドルトムント所属の33歳
2012年以降、BVBでプレーし続けていたロイスはすでにレジェンドといえる存在だが、代表でのキャリアは怪我による悲劇に阻まれてきた。
先日のルールダービーで足首をひどく捻り、顔を覆いながら交代した時には、またか…と誰もが思ったはず。
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ただ、足首の靭帯は損傷していたものの、幸いにも断裂はしておらず。3~4週間の離脱になる見込みで、本大会までに間に合う可能性がある。