関西電力高浜原発3、4号機の40年超運転検討 「特別点検」着手へ

関西電力高浜原発の3号機(奥)と4号機=福井県高浜町

 関西電力は運転開始から37年が経過した高浜原発3、4号機(福井県高浜町、いずれも加圧水型軽水炉、出力87万キロワット)について、40年を超えた運転の検討に入る方向で最終調整していることが9月21日分かった。運転延長申請に必要となる原子炉容器などの劣化を詳細に調べる「特別点検」に着手するとみられる。福井県内では関電美浜原発3号機が40年超運転を行い、現在は定期検査に入っている。

 原子炉等規制法では、原発の運転期間は原則40年と定められ、原子力規制委員会が認めれば1回に限り最長20年延長できる。運転開始から丸40年となるまでに、特別点検の結果を踏まえた延長認可の審査や安全審査に合格する必要がある。審査に合格後、県や立地町の同意が得られれば再稼働が可能になる。

 高浜3号機は1985年1月、4号機は同年6月に運転を開始し、2025年に運転40年を迎える。認可申請の期限は3号機が24年1月、4号機は同年6月までとなっている。

 高浜3、4号機では、蒸気発生器(SG)で運転時にできる鉄酸化物の密度が高まった「スケール」による細管の減肉が相次いで確認されている。運転時間の長い2基特有の現象で、40年超運転を見据え、関電はSG取り換えの検討も加速させるもようだ。

 県内の40年超運転を巡っては杉本達治知事が21年4月、美浜3号機と高浜1、2号機の再稼働に同意した。美浜3号機は同年6月、東京電力福島第1原発の事故以降、国内で初めて40年超運転に入り、約4カ月運転した。設置が義務付けられているテロ対策の「特定重大事故等対処施設(特重施設)」の完成を受け、今年8月に原子炉を再起動しており、26日に営業運転に入る予定。

 高浜1、2号機も特重施設の完成後、来年6、7月の再稼働を計画している。

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