バトントワーリング 世界の頂点に輝いたペア 渡辺結愛(由布高校3年)・日野綺音(同2年)

8月にイタリア・トリノで開催された「第35回世界バトントワーリング選手権大会」ペア種目で、「E・STAR BATON TEAM(イースターバトンチーム)」に所属する渡辺結愛と日野綺音ペアが世界一の称号を手にした。渡辺は個人種目でも優勝し、2冠を達成。バトンを一度も落とさないノードロップの完璧な演技を披露した。

「今でも本番前は緊張でいっぱい。でも結果を気にせず、楽しんで踊ることを大切にしている」という渡辺は、小学2年の頃に偶然目にしたステージに魅了されバトンを始めた。一方、日野のバトン人生は幼稚園からのスタート。母親と一緒に習い事を模索する中でバトンが一番楽しかったという。小学3年からはアスリートコースを選択し、本格的に競技に打ち込むようになる。

世界選手権大会で金メダルを受賞した

そんな2人がペアを組んだのが7年前。毎日の練習が実を結び、すぐに九州王者になると、翌年には日本一に輝いた。その後もペア部門だけでなく、個人としても全国の舞台で数々の賞を取った。今年3月の世界選手権選考会では、1組だけの世界大会出場権を獲得し、日本代表となった。

世界への切符を手にしただけでなく、本戦では11組のペアの頂点に立った。「昨年の選考会ではギリギリで(出場権を)逃した世界大会。行けただけでもうれしかったが、優勝できるとは思っていなかった」(日野)。

2人を指導する佐藤文代表は、「幼い頃から練習熱心で、素直さが演技にも出ている。大会の結果は練習量の賜物。この先も、バトンで得た経験が彼女たちの人生を助けてくれるものになる」とねぎらった。

渡辺は地元の大学に進学予定。今後もクラブに在籍し、日野とのペアを続ける。「演技指導だけでなく礼儀やあいさつ、人として大切なことを教えてくれたクラブや先生に感謝の気持ちでいっぱい」と話す二人。謙虚で素直な気持ちを持ち続け、これからもバトントワーリングの世界で輝き続ける。

今後もペアを組んで世界大会に挑戦する渡辺(右)と日野(左)

(塩月なつみ)

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