111分の遠回りの美学を。残された時間はあとわずか「池の下(いけのした)」バス停

一見なんてことないバス停とそのまわりも、視点を変えれば観光資源。そんな思いで福岡市のバス停を取り上げ、ご紹介する本企画。連載24回目は、「池の下(いけのした)」バス停をご紹介します。

今回紹介するのは、春日市にある「池の下」バス停です。

行先番号「2」番の博多南駅ゆきが、毎時1本以上あります。そのほかに、ほんの少しだけ「630」の天神方面ゆき。

博多南駅までは近くて、2バス停だけです。ちょっと頑張れば歩ける距離。

運賃表を見ても、

2番は、博多南駅まで170円です。しかし、その下にも博多南駅の運賃が表示されており、630番だと850円!

にしてつバスナビで池の下→博多南駅を検索してみても、「2」と「630」が並びますので、注意が必要です。

「2」は所要時間3〜4分なのに対して、「630」は111分(笑)。さきほど時刻表で見たとおり630番は本数が少なく、平日の最終便は午前9時台なので、お昼から検索すると見られない現象です。

用事があって使うには現実的ではありませんが、なかなか珍しい大回り路線、いちど体験してみませんか。

というところで、今回の記事は終わりません。

ここで、過去の「天神山」を思い出してください。
福岡市中央区天神に”ない”天神。「天神山」(てんじんやま)バス停

実は「池の下」バス停は、以前掲載した「天神山」のお隣なんです。

天神山の記事では、大橋から天神を経由して天神山にゆく系統(地図上の緑:W4)をご紹介しました。

池の下を経由する「630」は、始発地の天神山を出発し、この逆方向で地図の緑線に沿って、

天神山(池の下)→都市高速→天神→大橋→博多南駅と循環します。これなら100分以上かかるのも納得の長さです。

この路線、9月末をもって廃止が予定されています。

始発地の天神山バス停に630と書かれているのが、専用の駐車スペースです。こういうのも撮っておくと、ここに「630」番というバスが来ていた、貴重な記録になります。

特徴的な味のある路線、ぜひいちど体験して、思い出に残してください。

【基本情報】
バス停名:池の下(いけのした)
・住所:〒816-0844 福岡県春日市上白水3丁目[map]
・天神からの行き方一例:
「天神大和証券前(14) (大和証券前14 県庁方面)」から都市高630番 都市高 野多目RP警弥郷 弥永団地 経由 天神山ゆき に乗車。約49分、420円

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