自然と文化を同時に触れるなら久留米市「石橋文化センター」へ

石橋文化センター・長谷川さんと

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北部九州・山口災害情報パートナーシップを結ぶコミュニティFM各局とRKBによるコラボ番組『ローカる!』。地域密着のコミュニティFM局のパーソナリティにとっておきの街ネタを紹介してもらう。9月は福岡県久留米市にあるドリームスFMの放送エリアで、一足早い「秋」を見つける。18日(日)は、西鉄久留米駅から車で5分の場所にありながら、非日常空間が味わえる石橋文化センターを訪れた。

「世の人々の楽しみと幸福のために」寄贈された公園

石橋文化センターの中には、園内の魅力を発信する部署「園内魅力推進課・魅力推進チーム」がある。チームリーダーの長谷川悟一さんに園内の魅力を案内してもらった。

長谷川さん:石橋文化センターは1956年(昭和31年)に株式会社ブリヂストンの創業者で久留米市の名誉市民である石橋正二郎さんから、郷土・久留米市に寄贈された施設になります。園内はバラやツバキなど、四季折々の花が楽しめる広大な庭園や、美術館をはじめ、音楽ホールの役割がある石橋文化ホール、図書館を備える複合文化施設として市民に愛されています。

園に入ると、目の前には季節の花が色とりどり咲き、二人の踊り子の像「みどりのリズム像」、美しいペリカン噴水、奥には久留米市美術館が私たちを迎える。これは創業当時から変わらない姿だそう。さらに創業者である石橋正二郎さんの“お言葉”が赤壁に彫られていた。

長谷川さん:「世の人々の楽しみと幸福のために」と書かれています。これは正二郎さんの寄贈理念で、今もなお、園内のいたるところにこの理念が息づいています。散策する中でこの息吹を感じていただけると思います。

園内の池には秘密が…

季節の花が楽しめる石橋文化センターで秋にかけて見頃になるのは「バラ」だ。春のイメージがある花だが、こちらでは秋に香り高い品種や豊潤で色がつやつやしているバラを楽しむことができる。さらに、シンボルのひとつとなっている「ペリカン噴水」にはある秘密が隠されていた。

荒木:今日(収録日)はすごく暑くて、このペリカン噴水に飛び込みたいぐらいですね…。

長谷川さん: 実はこのペリカン噴水、以前はプールだったそうなんです。園内を3世代で訪れる家族の中には、おじいちゃん・おばあちゃんが「ここでよく泳いだんだよ」とお孫さんに話している方もいらっしゃいます。今は噴水として訪れた人を目と耳で癒しています。

驚きのペリカン噴水を横目に、美術館側へ歩くと、異空間の池が表れた。

長谷川さん:これは「白鳥の池」と言って、秋にはバラやイチョウが見ごろになるゾーンです。池の中には1羽、白鳥がいるんです!結構表情が特徴的…つぶらな瞳で優雅に白鳥の池を泳いでおります。石橋文化センターは、草花はもちろん、白鳥や野鳥などの生き物も楽しんでほしいという願いがあります。

自然を満喫できるエリアも

白鳥が眺められる椅子やテーブルも配置されており、ここで読書を楽しむ人も多いという。奥に進むと、入口付近の洋の雰囲気と打って変わって和の雰囲気が漂ってきた。

長谷川さん:この和の雰囲気が漂ってくると、生活音が聞こえなくなり、風や鳥、川のせせらぎを感じることができます。個人的にはオススメのスポットです。仕事が煮詰まった時に来て、この自然に触れて解決につなげています(笑)

緑に囲まれたマイナスイオンを感じる場所から、小高い丘を木陰の中越えていく。石橋さん曰く、ここまで来て、ようやく石橋文化センターの魅力を体感してもらえるのでは、と思うそうだ。そんな話をしていると、目の前には緑に囲まれた広場が現れた。

長谷川さん:この広場にも椅子やテーブルが設置されていて、お子さん連れの方やご年配の方同士で談笑されていたりと、誰でも気軽に休める憩いのエリアになっています。春にはここで桜やツバキを楽しむことができるので、季節ごとに来ていただきたいです。石橋文化センター内はゴミの持ち帰りをするという条件で飲食持ち込み自由なので、ピクニックセットを持ってきて仲間や自分との時間を楽しんでもらいたいです。

その広場ではご年配の夫婦がワインとチーズを楽しんでいたりもするそうだ。雰囲気も相まって美味しさが増しそうな場所だった。その一角には民家のような建物があった。

長谷川さん:これは久留米市出身の画家・坂本繁二郎さんのアトリエを移築しています。このような文化的スポットもあるんです。この坂本繁二郎さんと、同じく久留米市出身の画家・青木繁さん二人の展覧会が久留米市美術館で予定されています。アトリエで息吹を感じたあとに美術館に行くもよし、美術館で二人の世界を感じた後、アトリエを覗くもよし、2つの楽しみ方ができると思います。

歴史を感じるアトリエを横目に園内を進んでいくと、竹林やもみじが楽しめる癒しスポットが現れた。

夏にはある生き物と出会えるチャンスもあるという。

長谷川さん:初夏にはホタルが楽しめるような、自然豊かな場所になっています。秋には紅葉が色づき、映えるフォトスポットでもあります。ここにも椅子とテーブルがありますので、自由に休んでいただけたらと思います。この先には日本庭園もあり、寄贈されて50年という記念の年でもあります。

それを記念するかのように、滝が勢いよく流れていた。入口からは想像もできない景色が広がっている。

長谷川さん:これも50年前から変わらない景色です。滝の上にはもみじもありますので、紅葉とのコントラストも楽しんでいただけたらと思います。飛び石で遊ぶのもいいですよ。

これからのシーズンはバラ・もみじが楽しめる

2人で園内を一周し、気づけば20分ほどが経過していた。ちょっと一休み…といったところにピッタリな施設が現れた。

長谷川さん:こちらはカフェメニューや御膳も楽しめる「楽水亭」という施設です。滝を眺めながら季節のメニューを楽しんでいただけます。テイクアウトもできますので、園内の椅子に座って自然の中で食べていただくのもおすすめです。

そんな石橋文化センターでは秋の行楽シーズンに合わせてイベントが目白押しだ。園内の魅力を推進する長谷川さん一押しのイベントを紹介してもらった。

長谷川さん:紅葉はこの石橋文化センターにお任せください。11月5日から12月上旬まで「もみじまつり」を開催します。園内のいたるところに色づくもみじやイチョウ、けやきを目いっぱい楽しんでいただけるかと思います。さらに白鳥の池の前では屋外コンサートも計画しています。

長谷川さん:さらに秋深まると石橋文化センターの名物「バラ」が咲きますので、10月中旬から毎年人気の「秋のバラフェア」が始まります。バラの見ごろに合わせてバラ園ではクラシックコンサートも楽しめます。ここに来れば芸術の秋も同時に楽しめること間違いありません。食欲の秋は? という方もご安心ください。カフェではバラのエキスが入った「バラソフト」も展開していきます。

すべての秋が楽しめる石橋文化センターを一周する中であることに気づいたディレクターの荒木。それは…

荒木:石橋文化センター、素敵空間過ぎて昼だけでなく夜も楽しめるスポットなのかなと…。

長谷川さん:これに気づいたということは「文化センター通」になられましたね(笑)実は夜の石橋文化センターは秋の魅力スポットの一つなんです。毎年10月下旬から行う「アートフェスティバル」では、園内全域を筑後地区最大級のライトアップで皆様をお迎えしているんです。今年はそれに加えて、10月上旬からハロウィンイベントを開催します!ハロウィンナイトということで、夜もお越しいただきたいです。びっくりするようなイベントも計画中です!ホームページで情報を発信していきます。

こんなにも「わあ~」と驚きと癒しの空間はあるのだろうか?と振り返ってしまうほど魅力あふれる石橋文化センターで、さらに充実した秋を楽しみたいと感じた。次回は熱い戦いが繰り広げられる久留米の一大イベント「第20回久留米焼きとり日本一フェスタ~グランプリ決定戦~」を紹介する。

ローカる!

放送局:RKBラジオ

放送日時:毎週日曜 11時00分~11時15分

出演者:荒木風花

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