「BA・5対策宣言」前倒しで25日終了 感染数、病床使用率改善 栃木県

引き続きの感染対策の徹底を求める福田知事=22日夕、県庁

 栃木県は22日、新型コロナウイルス対策本部会議を開き、今月末までとしていた「BA・5対策強化宣言」の期限を前倒し、25日で終了することを決めた。新規感染者の減少や病床使用率の改善を踏まえて判断した。感染者の全数把握が26日から全国一律で簡略化されるのに合わせ、県は発生届の対象外となる人に「とちぎ健康フォローアップセンター」への登録を呼びかけ、体調悪化時の対応や生活支援などにつなげる。

 県内の21日現在の病床使用率は24.7%。過去最高の64.1%となった8月21日を境に減少傾向が続き、医療提供体制の負荷は小さくなっている。直近1週間(15~21日)の人口10万人当たりの新規感染者数は233.3人で、第7波のピーク(966.7人)の4分の1まで下がったこともあり、宣言の期限を前倒すことにした。

 一方、現在も1日当たりの新規感染者が第6波のピークと同程度であることなどを踏まえ、警戒度レベルは5段階で真ん中の「レベル2(警戒を強化すべきレベル)」を維持する。

 フォローアップセンターでは、発生届の対象外となる人が登録すると体調悪化時にオンライン診療が受けられるほか、血液中の酸素飽和度を測る「パルスオキシメーター」の貸し出しや生活支援物資の提供といった支援を受けることができる。

 10月1日から確保病床数は最高レベルの「フェーズ3」から「フェーズ2」に引き下げ、現状の680床から569床に縮小する。臨時医療施設の運営は継続する。会議後の記者会見で福田富一(ふくだとみかず)知事は「県民や事業者の協力のおかげで、感染爆発となった第7波の収束が見通せる段階になった。確実に収束させるため、今後も基本的対策を徹底してほしい」と述べた。

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