職務可能だったのに…「診断書に不当に介入」和光市職員の分限休職を巡る訴訟、市の上告棄却で二審判決確定

和光市役所=埼玉県和光市広沢

 市職員の心身の疾患による分限休職処分を巡り、職員が処分の無効と減額された給与などの支払いを市に求めた訴訟で、埼玉県和光市は22日、最高裁が市の上告を棄却し、職員側の主張をほぼ認めた東京高裁の二審判決が確定したと発表した。

 市によると、職員は心身の疾患のため、2018年1月、診断書を市に提出。これに基づき、市は同年10月まで計5回にわたり、分限休職処分にした。しかし、職員は「市が診断書に不当に介入し、職務可能だった」として、19年5月、処分の無効などを求めて提訴した。

 一審さいたま地裁は21年2月、5回目の分限休職のみの無効を認め、未払い給与約27万円などの支払いを命じた。市が控訴した二審東京高裁は今年3月、2~5回目の分限休職の無効を認め、給与や慰謝料計約271万円などの支払いを命じた。最高裁は今月14日、市の上告を棄却した。

 市は「結果は不本意だが、確定した判決に従って処理をする」とし、9月市議会最終日の27日に、給与や慰謝料に遅延損害金を加えた計約320万円を一般会計補正予算案に計上し追加提案する。

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