ペットと暮らすシニア、「笑顔・会話が増え」「孤独感が癒される」8割

 日本は世界の中でも高齢化率の高い国だ。内閣府「令和4年版高齢社会白書」によれば、2021年10月1日時点で総人口に占める65歳以上人口の割合は28.9%と約3割に達している。人生100年時代とも言われ健康寿命を延ばす努力も盛んだ。白書によれば、51.6%の高齢者が過去1年間にスポーツや趣味、その他の社会活動に参加している。体の健康を保つために積極的に運動を行っている高齢者も多いが、心の健康を保ち生活の質を維持することも重要だ。広告代理店の博報堂が実施した調査によれば、ペットと暮らす高齢者の約8割が、ペットを飼うことで「笑顔・会話が増え」、「心にハリが生まれ」、「孤独感が癒される」と回答している。ペットと暮らすことが高齢者の心の健康の維持に寄与し、生活の質を高めているようだ。

 9月16日、博報堂が「シニア層のペットとの生活の質(QAL)調査」(実施期間:8月上旬、回答者:60歳以上、ペットオーナーなど1019名、QAL:Quality of Animal Life)の結果を公表しているが、これによれば、「ペットと暮らすことで生活はどのように豊かになり、幸せを感じるか」との質問に対し、「笑顔や会話が増える」との回答が84.3%、「心にハリが生まれる」が80.3%、「さみしい・孤独な気持ちにならなくなる」78.5%と、これらの回答が約8割で上位3位を占めている。

 「ペットがいてくれてよかったと感じること」について自由記述を見ると、「毎日の散歩により、外出する機会が増えたことと人との会話が増えたこと」(70代女性、犬)、「煩ったときなどお陰で気持ちがめいること無く養生などが十分に出来、飼っていて良かったと実感」(70代以上男性、犬)、「孤独感がなく一緒の生活に張りがあり、長生きをしなくてはと思っている」(60代男性、犬)などとなっており、ペットを通じてコミュニケーション機会も増え、また孤独感からも解放され、長生きしようというモチベーションにもつながっているようだ。

 「ペットとの快適で幸せな生活」を実現するために行っていることとしては、「一緒に遊ぶ・スキンシップする時間を設ける」が77.0%と8割近くに達しトップとなっている。また「適度な運動」61.7%も3位と上位にきており、ペットとの生活は高齢者の心と体の健康の維持に大きく貢献しているようだ。(編集担当:久保田雄城)

博報堂が「シニア層のペットとの生活の質(QAL)調査」。ペットと暮らすシニアの約8割が、ペットを飼うことで「笑顔・会話が増え」、「心にハリが生まれ」、「孤独感が癒される」と回答。

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