【宮城】被災地で生まれた芸術祭「リボーンアート・フェスティバル2022」

リボーンアート・フェスティバルとは

リボーンアート・フェスティバル(Reborn-Art Festival)は、宮城県石巻市と牡鹿半島を会場とした「アート、音楽、食」の芸術祭です。

2017年に開催された第1回「リボーンアート・フェスティバル2017」には、約26万人の観客が訪れました。それ以降にも関連イベントが開催されるなど、東日本大震災の被災地に住む人々にフレッシュなエネルギーと希望を与え続けています。

2021年夏[前期]と2022年夏[後期]の2期にわたって開催されている「リボーンアート・フェスティバル2021-22」。2022年8月20日〜10月2日の後期開催では、「利他と流動性」をテーマにした展示が行われています。

本記事では、後期の見どころをご紹介します。有名アーティストが手掛けた作品を旅するように巡りながら、復興しつつある石巻の現在の姿を見てみてはいかがでしょうか。

詳細は公式H Pまで

作品の展示場所

30作品以上が、石巻市の以下5つのエリアにわたり展示されています。

1.石巻中心市街地エリア(A)
2.復興祈念公園周辺エリア(B)
3.渡波エリア(C)
4.桃浦・荻浜エリア(D)
5.鮎川エリア(E)

アクセス方法

東京方面から出発する場合は、新幹線で仙台まで向かい(最速で90分)、そこから東北線に乗り換えて石巻までは約60分です。石巻中心市街地エリアと復興祈念公園周辺エリアへは、どちらも駅から歩いて行くことができます。

その他のエリアへ行く場合は、車もしくは芸術祭開催期間にエリア内を運行しているシャトルバスや路線バスを利用すると便利です。

オススメの必見7作品

今回は作品を効率良く鑑賞できる観光バスツアーに参加し、4つのエリアに展示された作品を鑑賞しました。

オススメの必見7作品をまとめたので、興味のある方はぜひチェックしてみてください。

1.Cloud pavilion(雲のパビリオン):藤本壮介(桃浦・荻浜エリア)

藤本壮介氏にとって多様性や包容性を象徴する雲をモチーフにした作品。

世界中のすべての人々の上に浮かび、さまざまな状況をも包み込む雲を「世界の屋根」と捉えて表現しています。

多くの人で賑わう東京の代々木公園でも展示されたこちらの作品。石巻での展示では人混みを避け、より近くで作品を鑑賞できます。

2.White Deer(Oshika):名和晃平(桃浦・荻浜エリア)

神道において鹿は『神使(神の使い)』であり、『神獣(神聖な生き物)』として親しまれてきた動物です。

人気彫刻家の名和晃平氏が、そんな鹿について再解釈して製作した作品が「White Deer (Oshika)」です。

本作品の3DデータはNFTで販売されており、売り上げの一部は作品のメンテナンス資金としてイベントの実行委員会に寄付されます。

3.FRESH:渡邊慎二郎(石巻中心市街地エリア)

人の中にある「植物性」を引き出すために作られた、渡邊慎二郎氏によるインスタレーション。

緑色に照らされたスケートリンクには植物の音が鳴り響き、自然と一体化したような没入感を体験できます。

今回作品の舞台となったスケートリンクには、以前こちらを訪れたフィギュアスケートのオリンピック選手・羽生結弦選手の写真も飾られています。

4.サーフ・エンジェル:小谷元彦(渡波エリア)

旧水産物加工工場に展示されている大型彫刻作品「サーフ・エンジェル」は、このイベントにおける1番の見どころと言っても過言ではないでしょう。

完璧な幾何学形態によってバランスをとっているようにも見える頭部から、衣服の繊細なシワまでもが細かく表現されています。

大きく広げられた両手とサーフボードを踏みしめる姿は、震災時に人助けをしてくれた名もなき勇者を想起させます。

5.「ニュー松島」などシリーズ作品:風間サチコ(復興祈念公園周辺エリア)

歴史や社会現象を独特な漫画風のスタイルで描くことを得意とする風間サチコ氏。

今回は日本三景の1つである松島のような形をした奇岩をモチーフに、シリーズ作品「ニュー松島」を展示しています。

6. 石巻タワープロジェクトの資料展と作品《サンパウロ・ビエンナーレのための計画》:川俣正 (復興祈念公園周辺エリア)

まるで空に向かって伸びていくような木造タワーを手掛けたのは、造形作家としてグローバルに活躍する川俣正氏。

1層1層上に向かって積み上げられた木材は、石巻の人々の生きることへの強い思いを表しています。

7.参拝:伊勢谷友介(桃浦・荻浜エリア)

俳優や映画監督、そしてアーティストとしての顔も持つ伊勢谷友介氏。

洞窟の暗闇を目の前にした時、どんな思考が頭に浮かぶでしょうか。この作品は自分と向き合い、考えを深められるようなインスタレーションです。

神に祈るのではなく、自ら考えて行動して欲しいという伊勢谷氏の想いが込められています。

まとめ

アーティストが作品を通して表現しているのは、それぞれが持つ被災地・石巻への思いです。

東北観光に行く際にはぜひイベントに立ち寄り、石巻の美しい自然と融合したアートを鑑賞してみてください!

詳細は公式HPまで

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