ロボットマンガの源流めぐる展覧会 日本初作品は「のらくろ」田河水泡の「人造人間」だった

「ロボットマンガの源流展」のポスタービジュアル

「田河水泡の『人造人間』にたどる ロボットマンガの源流展」が東京・江東区の森下文化センター(田河水泡・のらくろ館)で開催されている。

1928年(昭和3年)、京都で開催された大礼記念京都大博覧会に出品された「学天則」は東洋初のロボットとして大きな話題になった。その翌年に田河水泡が発表した「人造人間」は、日本で初めてのロボットマンガとされている。戦後、手塚治虫「鉄腕アトム」、横山光輝「鉄人28号」などの人気作品の登場により、ロボットものはマンガの一大ジャンルとなった。

同展では「自律型」「合体型」「操縦型」「搭乗型」など、さまざまな形に発展していった黎明期のロボットマンガの歴史を、書籍の展示で紹介する。

担当者は、「かつて “人造人間”という言葉は、人間を模した機械や、人工生命体の総称として使われていました。第二次世界大戦後に訪れた科学の爆発的な進歩で、その概念も進化・多様化を遂げています。機械そのものと言ってよい“ロボット”や、人間にそっくりに造られた“アンドロイド”、さらに生命体と機械装置の複合体である“サイボーグ”の概念も誕生。一方で、それらの概念には明確な定義はなく、諸説あるのが実情です」と説明。その上で「本展示では、田河水泡の『人造人間』を源流として、様々に発展していった昭和のマンガ作品を集めています。“ロボットマンガ”という言葉でひとくくりにすることはできませんが、人間の分身として超常的な力を発揮した科学の申し子たちの活躍を楽しんでいただければと思います」と語っている。

入場無料。開催は10月10日まで。詳細は、同センターのホームページまで。

「ロボットマンガの源流展」のポスタービジュアル

(よろず~ニュース・山本 鋼平)

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