曇天の下で始まった3年ぶり開催の日本GP初日。トップはミラー、中上は12番手/MotoGP第16戦

 9月23日、MotoGP第16戦日本GPのフリー走行1回目が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、MotoGPクラスはジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)がトップタイムを記録した。

 日本GPに参戦する日本人ライダーとしては、中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)が12番手、長島哲太(HRCチーム)が22番手、津田拓也(チーム・スズキ・エクスター)が25番手だった。

 新型コロナウイルス感染症の影響により2年間中止となっていた日本GPは、2022年、3年ぶりに開催された。初日午前中はセッションが行われず、午後のフリー走行1回目のみ。これはすでに6月下旬に決定されていたことで、FIM、IRTA、ドルナスポーツによる発表によれば、アラゴンGPに続く連戦であること、また、ウクライナ情勢とそれが空域へ影響を及ぼす可能性を踏まえた決定であるということだった。

 MotoGPクラスのフリー走行1回目は初日午後に行われ、通常の45分から75分へと拡大。翌日午前中のフリー走行2回目はいつも通り45分で行われ、この2回のセッションの総合結果により予選Q1、Q2の振り分けが決まる。レースシミュレーションが行われることが多いフリー走行3回目が30分間行われたのち、予選となる。

 また、3年ぶりに開催の日本GPには、HRCテストライダーを務める長島哲太がワイルドカード参戦、そしてスズキのテストライダーである津田拓也がジョアン・ミルの代役で参戦する。レギュラーライダーの中上貴晶と合わせ、3人の日本人ライダーがもてぎを走る。

長島哲太(HRCチーム)/2022MotoGP第16戦日本GP

 午後3時5分に始まった初日のフリー走行1回目は、曇天が広がる下でのセッションとなった。Moto2クラスのフリー走行1回目の途中から小雨が降り始めたが、その後雨は上がり、コンディションとしてはドライ。気温としては気温は25度、路面温度は28度。陽が射さないため路面温度が上がりにくい状況である。

 土曜日に雨の予報が出ていることを考えると、土曜日午前中のフリー走行2回目ではタイム更新は難しいことが予想される。Q2にダイレクト進出を果たすため、このフリー走行1回目が初回のセッションながら、同時にタイムを記録することが重要になるともいえる。

 開始20分を過ぎて、トップはファビオ・クアルタラロ(モンスターエナジー・ヤマハMotoGP)、2番手がジャック・ミラー(ドゥカティ・レノボ・チーム)、3番手がアレックス・リンス(チーム・スズキ・エクスター)。前戦アラゴンGPで復帰を果たし、転倒リタイアに終わったマルク・マルケス(レプソル・ホンダ・チーム)は5番手につける。

 セッションが開始して30分が経つころ、一部区間で雨が降ってきたことを知らせるレッドクロスのフラッグが降られるも、コンディションは大きく変わることなくセッションが進んだ。

 その後、リンスがトップタイムをマーク。このセッション中盤、リンスのマシンにはリヤカウルに小さな羽のような空力デバイスが投入されている。直後、ヨハン・ザルコ(プリマ・プラマック・レーシング)がリンスのタイムを上回ってトップに立ち、アレイシ・エスパルガロ(アプリリア・レーシング)が2番手に浮上した。

 残り時間20分、中上が4番手タイムを記録する。中上は前戦アラゴンGPで転倒を喫し、右手薬指と小指の腱を痛め、月曜日に手術を受けていた。メディカルチェックを通過し、久々の日本GPに紅葉柄をあしらったスペシャルヘルメットを用意して挑んでいる。

中上貴晶(LCRホンダ・イデミツ)/2022MotoGP第16戦日本GP

 セッションが終盤に入るとタイムの更新が激しくなっていった。残り時間15分を切って、トップは前戦ウイナーのエネア・バスティアニーニ(グレシーニ・レーシングMotoGP)。しかしそのタイムをリンスが上回り、さらにミラーが更新した。

 その後フランセスコ・バニャイア(ドゥカティ・レノボ・チーム)やクアルタラロ、マルク・マルケス、アレイシ・エスパルガロなどがタイムを更新するも、ミラーのタイムには届かない。ミラーは終盤に記録した1分44秒509でフリー走行1回目、そして日本GPの初日をトップで終えた。

 2番手はバニャイア、3番手はクアルタラロ、4番手はアレイシ・エスパルガロで、チャンピオンを争うライダーが2番手から4番手に入った。5番手はルカ・マリーニ(ムーニーVR46レーシング・チーム)。マルク・マルケスは6番手、3年ぶりの母国グランプリを迎えた中上は12番手。

津田拓也(チーム・スズキ・エクスター)/2022MotoGP第16戦日本GP

 ワイルドカード参戦の長島はセッション中盤に11コーナーで転倒を喫したものの、その後走行を再開して22番手。津田は25番手だった。

 日本GPの予選は9月24日土曜日の午後3時5分から行われる。

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