「最高か、それとも最悪か」1998メキシコ代表、今こそ推したい“懐かしユニフォーム”

ちょっと懐かしのユニフォームをさらっと軽くご紹介する「Qoly × LFB Vintage」ブログのQoly版。

今回はカタールW杯にも出場するメキシコ代表の伝説的な“アステカ・ユニフォーム”をお届けします。

メキシコ代表 1998 ABA Sport ホーム半袖 ユニフォーム 98W杯モデル復刻版

1998年のフランスW杯で着用したユニフォームで、世界のサッカーファンを驚愕させた“アステカユニ”の復刻版。2000年代のアイテムですので、復刻版とはいえ立派なヴィンテージキットです。

98フランスW杯ではグループステージでオランダ、ベルギー、韓国と対戦したメキシコ。首位はオランダに譲るもこの組を2位で突破し、決勝トーナメント進出が決定。その決勝T1回戦でドイツと対戦しましたが、スコア2-1で敗れています。

当時のメンバーは、ホルヘ・カンポス(GK)、ルイス・エルナンデス、アルベルト・ガルシア・アスペ、ラモン・ラミレス、クアウテモク・ブランコ、クラウディオ・スアレスなど。個性派ぞろいでした。

緑のホームキットは韓国戦とドイツ戦の2試合で着用しましたが、韓国戦といえば11番を付けたクアウテモク・ブランコが見せた“カニばさみ”プレーですね。

両足首でボールを挟んで跳びはねて相手ディフェンスを抜くという、秘技というか妙技というか奥儀というか。ユニフォームで驚かせて奇抜な技でも驚かせる。98年のメキシコ恐るべし...でした。

アステカユニは白のアウェイもありましたが、真っ先に浮かぶのはやはりホームキット。この緑色に顔デザインは少々不気味で強烈の一言です。

アステカと名が付くだけにメキシコの歴史に深く関係するデザインですが、これはアステカ文明時代の遺物「太陽の石」をモチーフにしたもの。中央に描かれている“舌を出す顔”は「太陽の石」の中心にある大地の神トラルテクトリなのだそうです。

これが「太陽の石」。メキシコ国立人類学博物館に収蔵されている本物です。中央にユニと同じ顔がありますね。

しかし、よくこの遺物をユニフォームのデザインに選んだなと。結果としてサッカーユニフォームの歴史に残るデザインとなったわけですが、「太陽の石」をモチーフに選んだ理由を当時の担当者に尋ねてみたいものです。

超個性派GKカンポス、カニばさみのブランコ、ブロンドの長髪が印象的だったエルナンデス。アステカユニを眺めていると、当時の代表選手の顔が次から次に浮かんできます。

近年では強烈なグラフィックのユニフォームはそれほど珍しい存在ではなくなりましたが、このアステカユニはそんなユニフォームの先駆者とも言えるでしょう。

人によって評価が完全に割れるデザインで、最高”にも“最悪”にも選ばれるという何とも稀有な存在。

そんなメキシコ代表アステカユニフォーム。「Qoly × LFB Vintage」で新品が入手可能です。

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