京都の繁華街で違法駐車が問題化 原因は道路形状?取り締まる警察も疑問視

木屋町通は駐車禁止だが、違反が後を絶たない(8月19日午後7時20分、京都市中京区)=画像の一部を修正しています

 京都市中心部の繁華街、木屋町通で長年、夜間の違法な路上駐車が問題となっている。地元商店主から「緊急車両が入れないと困る」と危惧する声が上がり、京都府警中京署は6月から取り締まりを強化したが、同署やドライバーからは「駐車しやすい」という道路の形状に疑問の声も上がる。

 木屋町通の三条-四条間は、多くの飲食店などが軒を連ねる。南進一方通行の車道は駐車禁止だが、路肩が所々で歩道に食い込む凸凹した形状で、道幅が広くなる部分で違法駐車が後を絶たない。

 同エリアの店主らでつくる木屋町共栄会の野々山久夫副会長(58)によると、路上の違法駐車は少なくとも20年ほど前から問題視されていた。午後5時以降、キャバクラ従業員の送迎用や遊興客、商品配送とみられる車が並び、5時間ほど駐車する車もあるという。野々山さんは「お構いなしに駐車されると、消防車など緊急車両の通行に支障が出るかも」と訴える。

 また、車道に飛び出す酔客らもおり、同署交通課は「駐車で見通しが悪くなり、重大事故につながる可能性がある」と懸念する。

 5月に同会から相談を受けた中京署は、6月から地域課中心だった夜の違法駐車取り締まりに交通課も加え、時間や回数を増やした。「6月以降、違法駐車への苦情も少なくなっている」と効果を話す。

 ただ、同署交通課は路肩の凸凹した形状について「車がすっぽり入る形で心理的に止めやすい」と問題視する。実際、8月下旬の夜に違法駐車をしていた軽ワゴン車の男性運転手(23)は「この道路の形は、車を止めやすくするためと聞いたことがある」と誤解していた。

 同署から要望を受けた京都市西部土木事務所は今夏、駐車対策や歩行者保護の目的で、木屋町通の計2カ所にポール計4本を設置した。道路形状については「速度抑制のため、あえて直線にしていない。財政状況が厳しく、すぐ改良はできないが、警察と協力できるところはしたい」としている。

© 株式会社京都新聞社