静岡県、愛知県では、線状降水帯による非常に激しい雨が同じ場所で降り続いていて、命に危険が及ぶ土砂災害や洪水による災害発生の危険度が急激に高まっている。この後も厳重な警戒が必要だ。
また気象庁は、静岡県で災害につながるおそれがある猛烈な雨が降ったとみられるとして、記録的短時間大雨情報を発表した。
【記録的短時間大雨情報 1時間雨量】
静岡県
浜松市北部平野部付近 約110ミリ(23日午後10時50分)
森町付近 約110ミリ(23日午後10時50分)
浜松市北部山間部付近 約110ミリ(23日午後11時00分)
川根本町付近 約120ミリ(23日午後11時50分)
島田市付近 約110ミリ(23日午後11時50分)
掛川市付近 約110ミリ(24日午前0時00分)
静岡市北部山間部付近 約110ミリ(24日午前0時00分)
磐田市付近 約110ミリ(24日午前0時00分)
藤枝市付近 約110ミリ(24日午前0時00分)
森町付近 約110ミリ(24日午前0時00分)
本州付近には台風15号の影響で湿った空気が流れ込んでおり、大気の状態が非常に不安定になっている。
静岡県には23日夜になって記録的な大雨が降り続いていて、記録的短時間大雨情報が相次いで発表されている。掛川市では3時間雨量が168.5ミリ(午後10時20分現在)となり、観測史上1位の雨量となっている。今後は関東など東日本や、前線のかかる北日本にも活発な雨雲がかかる見込みで、24日(土)にかけては東海から北日本にかけて急な強い雨、落雷、竜巻などの激しい突風に注意が必要だ。
■記録的短時間大雨情報とは
1時間に80ミリ以上の猛烈な雨を観測または解析し、さらにその地域にとって数年に一度程度しか発生しないような大雨である場合に発表される情報。周辺地域では、土砂災害や河川の増水など、災害の危険性が高まっているため警戒が必要となる。
■身の安全を図る行動を
崖や川の近くなど、危険な場所にいる場合(土砂災害警戒区域や浸水想定区域など、災害が想定される区域にいる場合)は、地元市町村から発令されている避難情報に従い、直ちに適切な避難行動をとる必要がある。周りの状況を確認し、避難場所への避難がかえって危険な場合は、少しでも崖や沢から離れた建物や、少しでも浸水しにくい高い場所に移動するなど、身の安全を確保してほしい。
■予報用語における線状降水帯の定義
次々と発生する発達した雨雲(積乱雲)が列をなした、組織化した積乱雲群によって、数時間にわたってほぼ同じ場所を通過または停滞することで作り出される、線状に伸びる長さ50~300km程度、幅20~50km程度の強い降水をともなう雨域。