9月からルールがどう変わった? 新型コロナ入院給付金 “みなし入院” 対象を限定へ

広島県で1日の感染確認の発表が最も多かったのは8月19日の8774人…。ピークアウトを迎えた第7波ではこれまでより感染者が大幅に増え、それに伴い、自宅療養した人の数も多くなりました。

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療養後、“入院していなくても「入院給付金」” を受け取った人はたくさんいるようです。

この入院給付のルールがまもなく変わります。今回のテーマは、『9月26日からどう変わった? コロナで入院給付金』。正しく知ってご活用ください。

医療保険に加入していて、新型コロナウイルスに感染した場合に受け取ることができる入院給付金ですが、9月26日から “みなし入院” の場合は対象者の範囲が縮小されました。

□ “みなし入院” でも 入院給付

一般的には、入院したら受け取れる入院給付金ですが、新型コロナウイルスに感染した場合、“入院していなくても” ホテルや自宅で療養する、いわゆる “みなし入院” の場合でも原則、入院給付金を受け取ることができます。

実はおととしの4月から始まっている措置です。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、病床がひっ迫状態になり、本来の感染症法上は入院が必要なのに、できないという人が多くなったからなのです。

生命保険各社は、こういった社会情勢を踏まえて特別に時限的な措置として、みなし入院の人にも入院給付金を支払うことにしました。

その結果がこちら、生命保険協会がまとめた生命保険42社のアンケートからの給付金額の推移です。

新型コロナウイルスの感染者がこれだけ激増していますから、当然、入院給付金の申請件数も増え、支払い額も急増しました。支払い月別にみてみると感染の波とよく似た増加傾向がうかがえます。最後のヤマは第6波ですが、今回の第7波についてはこれからもっとくるのではという予測もできます。

入院保険の申請って具体的にどういうものなのか、気になっている方も多いのではないでしょうか。実際に療養から復帰したスタッフが申請してみました。

スタッフ
「保険契約させてもらっているんですけど、この間、コロナ療養がありまして…。なるほど。(申請は)書類でやりとりするよりもネットでやった方が全然、早いですか…」

現在は、多くの保険会社が手続きを簡素化していて、郵送だけでなく、ネットでも申請できるようになっています。保険代理店によりますと、最近の申請件数増加により郵送だとより時間がかかってしまうそうです。

今回は、保険会社のホームページからオンライン申請してみることに…。保健所や医療従事者の事務負担を軽減するため、金融庁からの要請もあり、今、申請に必要なものはごくわずかです。

□ 「みなし入院」の場合 申請に必要なもの

(※詳しくは保険各社ホームページなどでご確認ください)

My HER-SYSの療養証明、あるいはPCR検査や抗原検査の結果などで感染して療養していたことがわかるものを用意します。

個人情報を入力し、その書類をアップロードして申請完了。

スタッフ
「難しいこともなく、スムーズにできました。ふだんからネット環境に慣れている人の場合は手をわずらわせることなく、すぐ済ませられるなと思いました」

□ 9月26日からどう変わった?

これが、9月26日からどうなったかといいますと、申請方法が変わるのではなく、支払い対象者が変わります。

大手保険会社などは、入院給付金の支払い対象を9月26日以降、次にように定めるとしています。

__(1)65歳以上の人
(2)入院が必要な人
(3)重症化リスクがあり、新型コロナウイルスの治療薬の投与または新たに酸素投与が必要な人
(4)妊娠している人__

□ なぜ今 入院給付の支払い対象者を変更?

でも、どうして、今、変更することになったのでしょうか。簡単にいいますと、国の全数把握見直しがきっかけと考えられます。

9月1日、金融庁は、生命保険協会などに対し、「今後、全数把握しなくなるから給付金の支払い対象についても検討してくださいよ」と要請しました。生命保険協会は、それを各社に伝え、これを受けて各保険会社が今後、感染が確認される対象、つまり重症化リスクの高い、こういった方々に限定するということになったというわけです。

ですから、変更のタイミングも国の全数把握が変更される9月26日(月)になるということです。

中には早く申請しないとあせる方もいらっしゃるかも知れませんが、その必要はありません。給付の対象は26日から変更しますが、それは診断された日がいつかという問題で、申請日は後になっても全然、かまいません。

入院給付金などの請求権は、法令で権利が発生した日の翌日から3年が時効と定められています。今、感染している人やこれまでに感染した人など、請求の権利がある人はあせらずに、まずは療養に専念してから手続きしてもらうということで大丈夫だということです。

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