「星空が見える観光バス」ご乗車いかが? ブラックライトで天井に星座や木々…福井県大野市で10月運行

星空が浮かび上がった観光バスの天井=9月22日、福井県大野市内

 福井県大野市の観光バス業、大野観光自動車は、車内天井に星空が浮かび上がる「星空観光バス」を導入し、10月1日から運行する。2023年度に米NPOが提唱する「星空保護区」の認定を目指す大野市は、バスを活用した夜間観光事業に力を入れ、認定への機運をさらに高めたいとしている。

 同社所有の52人乗り大型バス1台の天井全面(長さ約10メートル、幅約2.5メートル)に、大野市南六呂師の満天の星空をイメージした星座や星、木々が特殊な塗料でデザインされている。明るい状態では見えないが、カーテンを閉めて室内灯を消しブラックライトで照らすと、深い紺色の夜空に青や白、黄、赤の光を放つ「かに座」「白鳥座」などの星座や星が浮かび上がる。

 同社によると、こうしたバスは県内初。改装費は約725万円で、うち約580万円を市の「星空ツーリズム推進事業補助金」を活用した。10月1、2日に始まる同社企画の二つのツアーから星空観光バスを運行する。

 大野市は22日、関係者にバスを披露し、石山志保市長らを乗せ市内を走った。同社の長谷川敦俊社長は「このバスを利用して大野自慢の美しい星空をぜひ見に来てほしい」と話している。

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 市は、星空のブランド化を図り観光客増につなげようと、2023年度に米国のNPO団体「国際ダークスカイ協会」が提唱する星空保護区への認定を目指している。今後、星空を活用したツーリズムを推進していくとしており、11月の毎週土曜日に市内宿泊者を対象に星空観光バスを利用したツアーを計画している。担当者は「星空観光バスは大野の夜間観光商品の大きなツールになる」と期待している。

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