豪雨で土砂崩れ発生…災害時に備え実践訓練 川越で都市ガス事業者19社合同 病院への臨時供給など想定

重要施設へのガス供給を想定した訓練で発電機にガスを供給するガス会社社員=15日、川越水上公園

 埼玉県内の都市ガス事業者19社が加盟する県ガス協会(原敏成会長)は15日、35回目の合同復旧訓練を川越市の川越水上公園で行った。全加盟社から計約70人が訓練に参加した。

 例年の訓練では地域自治体、警察、消防との連携を図るためシナリオ形式の訓練を行っていたが、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、会員の県内一般ガス導管事業者のみで実践的な対応の確認に重点を置いて行われた。

 訓練では近年多発している豪雨災害に焦点を絞り、川越市で台風豪雨により土砂崩れが発生したことを想定。ガス工作物が破損し、差し水による供給障害が発生したことを踏まえ、早期復旧のために県ガス協会会員企業間の相互応援体制による差し水排出や、病院等の優先需要家に対する移動式ガス発生設備による臨時供給などを行った。

 原会長は「コロナ禍での制約はあったが、この合同復旧訓練を通じた実践的な連携体制の確認は重要。今回の訓練を有事の際の行動につなげてほしい」と呼びかけた。

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