新型コロナ全数届け出見直し受け 県「低リスク者も登録を」

和歌山県庁

 新型コロナウイルス陽性者の発生届対象者が、26日から全国一律で重症化リスクがある人に限られることを受け、和歌山県が今後の対応を発表した。届け出対象外となる陽性者には、県の「陽性者登録センター」への自主的な登録を求め、引き続き全数把握に努める方針だ。

 これまで、陽性者は全員が保健所への届け出対象となっていたが、医療機関や保健所の負担軽減のため、国は26日から、発生届の対象を重症化リスクがある陽性者に絞る。

 一方で、陽性者全体の7~8割は、発生届対象外となる見込み。県が把握できないと、地域の感染状況の傾向がつかみづらくなり、症状悪化時の救急対応が混乱する心配もあるという。このことから、県は発生届対象外の人も「センター」への登録を求める。

 県は、今後は保健所が重症化リスクがある人に重点的に対応。さらに、リスクが低い人も「センター」が対応することで、県内全ての陽性者の安心を確保したいとしている。

■無・軽症は自主検査

 県は26日から、医療機関への受診対象者を、65歳以上▽妊婦▽基礎疾患がある人▽小児▽強い症状がある人に設定。陽性者のうち、65歳以上▽妊婦▽入院を要する人▽治療薬や酸素投与が必要と判断された「重症化リスクがある人」については、医療機関が保健所に発生届を提出する。

 受診者のうち「重症化リスクがある人」に該当しない陽性者と、受診対象者以外の無症状・軽症者で、抗原キットや無料検査(無症状者のみ対象)で陽性となった人は自身で「センター」に陽性登録してもらう。

 センターは24時間ウェブで受け付けており、健康管理ツール「マイハーシス」を活用した健康観察などもする。登録すれば、自宅療養支援物資の配布や宿泊療養の案内、酸素飽和度などが測れる機器の貸し出しなどのサービスもある。

 センター登録者のうち、4日連続38度以上の熱がある、酸素飽和度が94%以下など悪化傾向の人については「要観察者」として情報を保健所に提供。保健所が入院や救急受診などを含めて対応する。

■5人以上感染は連絡

 全数届け出見直しに伴い、保健所がクラスターを発見することがこれまでより難しくなるため、5人以上の感染者が出た場合、施設や事業所から最寄りの保健所に連絡するよう求める。特に、医療機関や高齢者施設、障害者施設については、利用者が感染すれば重症化の恐れが高く、早期介入が重要となるため、関連性のある複数の感染者発生▽感染拡大が考えられる▽死亡者発生の場合、すぐに最寄りの保健所に連絡してほしいとしている。

 また、今回の見直しにより、統計処理上支障が出るとして「みなし陽性」は廃止する。

■問い合わせ窓口

 県はホームページで情報提供するほか、問い合わせ窓口も設けている。

■抗原キット送付や陽性者登録

 午前9時~午後5時「陽性者登録センター」(050.2018.3138)

 ■マイハーシスの使用方法や療養証明書発行

 午前9時半~午後8時半「マイハーシス コールセンター」(0120.238.275)

 ■医療機関受診や症状など

 24時間対応「県コールセンター」(073.441.2170)

 ■無料検査の条件や実施場所

 午前9時~午後5時「ワクチン・検査パッケージ等促進事業事務局」(050.3626.2225)

© 株式会社紀伊民報