国立高専全51校、文科省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」認定目指す

国立高等専門学校機構(以下、高専機構)によると、2022年度の文部科学省「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」において、全国33の国立高等専門学校(以下、国立高専)が「リテラシーレベル」を申請し、33件が認定された。2021年度の9件と合わせると42件(全国の高専の8割強)が認定されたことになる。また「応用基礎レベル」には5校7件が申請し、全て認定された。2023年度には残り9校が申請し、全51校の国立高専が認定されることを目指す。

2019年6月に内閣府の統合イノベーション戦略推進会議で決定された「AI戦略2019」では、「文理を問わず、全ての大学・高専生(約50万人卒/年)が、課程にて初級レベルの数理・データサイエンス・AIを習得」を具体的目標の一つに掲げている。この達成を目指し、2021年度から大学・高専の正規課程教育のうち優れた教育プログラムを政府が認定する制度「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度(リテラシーレベル)」の公募が開始された。

高専機構では同制度が始まる前から社会の潮流を捉え、「高専発!Society5.0型未来技術人財」育成事業を進めてきた。中でも「K-DASH」プロジェクトでは、AIやビッグデータなどの技術を組み合わせる実装力を身につけた人材育成としての高度化を図り、全国の高専と連携してSociety5.0時代における高専教育の質保証と人材育成に取り組んできた。

こうした取り組みにより「リテラシーレベル」では2021年度は9校が申請して9件が認定。2022年度は33校が申請して33件が認定、2年間で42件が認定された。また、中でも先導的で独自の工夫・特色を有する「(リテラシーレベル)プラス」は2021年度に長岡高専が、2022年度は富山高専が選定された。

さらに、2022年度からは⼀定規模の⼤学・⾼専生を対象に課題解決のための実践的な能⼒を育成する「応用基礎レベル」の公募が始まり、苫小牧・旭川・富山・石川・佐世保高専の5校7件の教育プログラムが認定されている。

実践的・創造的技術者を養成する高専は、これからも社会・経済構造の変化、技術の高度化、社会・産業・地域のニーズ変化を踏まえ、学生が数理・データサイエンス・AIの基礎知識を身につけ、好奇心と創造力を発揮できる教育環境整備に取り組んでいく。

参考:【国立高等専門学校機構】国立高専全51校が「数理・データサイエンス・AI教育プログラム認定制度」の認定を目指す~今夏、リテラシーレベルに33校、応用基礎レベルに5校の国立高専が認定。データサイエンス・AI人材の育成に貢献~

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