「一つでも多く白星を」相撲に熱中 西海市のALT、ウイリアムズさん きょう九州大会

稽古に打ち込むジェームズ・ウイリアムズさん=西海市西海町、七釜相撲道場

 英スコットランド出身で、長崎県西海市の外国語指導助手(ALT)、ジェームズ・ウイリアムズさん(29)は相撲に熱中している。身長184センチ、体重105キロの元ラガーマンは、稽古を初めて1カ月後の6月、県選手権大会青年の部で3位入賞。県代表として25日に熊本市で開かれる九州青年大会に出場する。
 西海市西海町の相撲場。「少し膝を落として。もう一番」との声に促され、背中に付いた土を払う間もなく土俵に上がる。白い肌は紅潮し、全身から汗が噴き出る。持ち味はラグビーのスクラムの要・ナンバーワンのプロップを担ったパワーと強靱(きょうじん)な肉体から繰り出すつり技。「きつくて大変だけど、楽しい」。息が上がりながらも、笑みがこぼれる。
 ウイリアムズさんは3年前、ラグビー・ワールドカップ(W杯)観戦のため日本を訪れた際、人の優しさ、自然や町並みの美しさにひかれ、日本に住みたいと思うようになった。ALTの道を見つけたものの世界は新型コロナ禍。予定より1年半遅れの昨年8月に念願の再来日を果たし、西海市に着任した。
 相撲は幼い頃、母国のテレビで見て知ってはいたが、特に興味はなかった。しかし、西海町に住んで相撲場の近くを車で通るうちに、何となく気になり始めた。知人に相談し、一緒に稽古を見学した際「力強くて格好いい」と、魅力に取りつかれた。現在は市内の二つの相撲場にそれぞれ週1回通う。指導する同市相撲協会の久保田雅洋さん(50)は「とにかく真面目で熱心。筋もいい」と太鼓判を押す。

英語の指導をするジェームズ・ウイリアムズさん=西海市立西海小

 県大会は「自信はなかった。とにかく最善を尽くそうと思った」という。成績は1勝2敗。九州大会は「一つでも多く白星を挙げられるよう、とにかく頑張りたい」と決意を語った。
 現在、市内の五つの小学校で英語を教えている。日本の環境にも慣れ「自然が多く、生活しやすく、文化もおもしろい。全部が好きでもう離れたくない」というものの、蒸し暑さにだけにはいまだに慣れない。日本語も勉強中で、相撲とともに「早く上手になりたい」と願う。


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