16年ぶりの快挙。小椋藍が青山博一監督以来となる母国GPで優勝「チェッカーを受けた瞬間、ホッとした」/MotoGP第16戦日本GP

 9月25日、2022年MotoGP第16戦日本GP Moto2クラスの決勝が栃木県のモビリティリゾートもてぎで行われ、小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)が優勝を飾った。

 予選日の悪天候がまるで嘘だったかのように、決勝日は青空が広上がり、絶好のドライコンディションでレースが始まった。小椋は、5列目の13番手から抜群のスタートを切って、一気に6番手に浮上する。さらに翌周、1分51秒193のファステストを記録しながら4番手へと順位を上げた。

 その後も慎重な走りを見せ、着々と順位を上げていく小椋は14周目でトップに立つと、ペースを上げて少しずつ引き離していく。後ろでは2番手を争うアロンソ・ロペス(Beta Tools Speed Up)とアウグスト・フェルナンデス(Red Bull KTM Ajo)がバトルを繰り広げ、その隙に小椋はまたも1分51秒024のファステストを叩き出しながら差を広げていく。

 レース終盤、猛烈な追い上げを見せるポイントリーダーのアウグスト・フェルナンデスが2番手に浮上して小椋を追いかけるが、すでに差は1.7秒ほどに広がっており、小椋はぶっちぎりでトップチェッカーを受けた。

Moto2:トップチェッカーを受けた際の様子/2022MotoGP第16戦日本GP

「アウグストは速いから、仕掛けてきたら抜き返すしかないと思っていました。でも、何周か後ろにいて抜き返すという展開は難しいと思ったので、自分が思うように走ろうと思いました」

「ギャップは広がれば広がるほどよくて、同じというのが一番嫌です。今回、2周同じだったので『同じかよ!』と思いながら、走っていました。でも、自分が頑張って走ればいいんだと思って、走りました」と小椋はレースを振り返っていた。

 また、母国GPで日本人ライダーが優勝を飾るのは、IDEMITSU Honda Team Asiaの監督を務める青山博一監督が、2006年に250ccクラスで制した以来の優勝となり、16年ぶりの快挙となった。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)と青山博一監督/2022MotoGP第16戦日本GP

「チェッカーを受けた瞬間、ホッとしました。今回はスタートがとても上手くいったのが、大きかったです。もてぎで優勝できて嬉しかったです。監督はやっと…っと泣いていたようだけど、僕は絶対に泣き顔は見せないと決めてました」

「でも、君が代が流れたとき、ちょっとウルっとしましたね。表彰台からの景色、モテギは自分がよく知ってるコースで、知っている景色。あぁ、日本で勝てたなぁと実感しました。スタッフもファンもみんなが喜んでくれました」

 喜びを語っていた小椋は「次は連戦の締めくくり。レースは始まってみないとわからないけど、チャンピオンシップもまだ追いかける立場なので、これからです」と、次戦とチャンピオン争いに向けて意気込みも語っていた。

Moto2:小椋藍(IDEMITSU Honda Team Asia)/2022MotoGP第16戦日本GP

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