【高校野球 神奈川秋季大会】横浜・エース杉山、復調の5回1失点「まだ70%くらい」

5回5安打1失点だった横浜の杉山=サーティーフォー保土ケ谷

◆横浜11―1横浜創学館(5回コールド)

 秋の頂上決戦へ、名門の絶対的エースがいよいよ状態を上げてきた。横浜の杉山は5回を5安打1失点(自責0)。「夏に比べてまだ70%くらい。全然完璧とは言えない」と振り返るも、躍動感は確実に戻ってきた。

 準々決勝でも先発し、1回2失点だった杉山は「最近は初回が弱くて。きょうも緊張してしまった」。横浜創学館の先頭打者に安打を許し、1死一、二塁のピンチを背負った。

 それでも経験豊富な左腕は崩れない。スライダーで左打者を泳がせるなど無失点で切り抜ける。ベンチに戻り、「闘志を見せろ」と村田浩明監督(36)に叱咤(しった)された二回以降は、直球中心の配球で凡打の山を築いた。

 打っては「自分が打って点が入れば楽になる」と8番打者ながら2本の二塁打でチャンスメークし、本塁を2度駆け抜けた。

 腰痛を抱えて挑んだ今夏の甲子園は2回戦敗退。その後は約2週間ノースローだった。「肩や肘を痛めたら勝負にならなくなってしまう」(村田監督)と、8月下旬の北海道遠征も登山やサイクリングで心身のリフレッシュに努めた。

 4年ぶりの関東大会出場にも、杉山はあくまで頂だけを見つめる。「神奈川も関東大会も優勝する。(夏の神奈川大会決勝で)相模を0点で抑えたあの感覚を早く取り戻したい」。自身の投球で2季連続の栄冠をつかみ取る。

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