敦賀気比1年生左腕、甲子園の反省生かし変化球勝負 秋の高校野球福井県大会V、竹下海斗が成長の跡

敦賀気比―福井商業 粘り強い投球で優勝に貢献した敦賀気比の先発・竹下海斗=9月25日、福井県の敦賀市総合運動公園野球場

 【第147回北信越地区高校野球福井県大会決勝 敦賀気比6-2福井商業 9月25日・敦賀市総合運動公園野球場】

 今夏の甲子園の反省を胸に決勝のマウンドに上がった。敦賀気比の1年生左腕・竹下海斗が八回途中まで2失点の好投で優勝に導いた。

 投球の約7割が変化球だった。「抑えられるほどの真っすぐは投げられない」からだ。これが相手打線にはまった。積極的に振ってくる打者を打たせて取り、四回まで無失点で抑えた。

 2点リードの五回は3連打で1死満塁。ここも変化球で勝負した。3番にはチェンジアップが浮き中犠飛となったがこれで2死。四球を挟み、5番には低めのカーブを引っかけさせて二ゴロに。東哲平監督が「同点まではいい」と考えていた中でピンチを脱した。

 初めての甲子園では速い直球を投げたいという思いから力んで制球を乱した。聖光学院(福島)との3回戦は2回1/3を投げて4失点。4四球、2暴投と力を出せなかった。

 この日は直球の多くが120キロ台後半。「実力以上のことはできない」と武器である制球力を生かした投球を心がけた。甲子園でもグラウンドから竹下の投球を見つめた主将の浜野孝教も「甲子園と違ってストライクでリズムを作っていた」と成長を感じ取る。

 たくましさを増した1年生左腕には、北信越大会でもさらなる期待も掛かりそうだ。

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