“ハチクマの渡り 悠々と” 中国大陸に向けて旅立つ 五島・大瀬山

上空で群れをなすハチクマ=五島市、大瀬山

 長崎県五島市玉之浦町の大瀬山(250メートル)付近で、中国大陸に向けて飛び立つハチクマの渡りが観察されている。3連休中日の24日は夜明け前から、約60人が山頂付近で観察。悠々と飛ぶ姿や、群れをなす様子をカメラに収めていた。

中国大陸に向けて飛び立つハチクマ

 ハチクマはタカ科で、翼を開いたときの幅は約1.3メートル。ハチを主食とすることから名付けられた。東北や北海道などで繁殖し、秋には東南アジアで越冬するため南下。1万キロ以上飛行し、春には再び戻ってくる。

ハチクマの渡りをカメラに収める愛好家

 国内最後の中継地とされる五島では9月中旬から10月上旬にかけ、大陸までの約700キロを旅立つ姿が見られる。大瀬山は間近に見られるスポットとして野鳥愛好家が全国から集う。

 数年前から毎年子どもらと訪れている五島市上大津町の長置美穂さん(43)は「ここから長い距離を飛んでいくのが感慨深い」、両親と訪れた兵庫県の豊田大翔(たいが)ちゃん(5)は「いっぱい飛んでかっこよかった」と話した。


© 株式会社長崎新聞社