ツーリズムEXPOでロケット盛り上げ 串本古座高生がアピール

オンラインで結ばれたツーリズムEXPOジャパンの会場に向け、地域の魅力をアピールする串本古座高校の生徒(和歌山県串本町串本で)

 東京都江東区で開かれた、国内外から観光関係者らが集う「ツーリズムEXPOジャパン2022」(22~25日)の一環で催されたオンラインセミナーで、和歌山県串本町串本の串本古座高校CGS(地域包括的支援)部の生徒たちが発表した。生徒たちは、同町田原の民間小型ロケット発射場「スペースポート紀伊」や関連した取り組みなどをアピール。年末を目指している初号機発射に向け、機運の盛り上げに一役買った。

 イベントは公益社団法人「日本観光振興協会」などが東京ビッグサイトで開いた。今回で8回目となり、世界78カ国・地域、全国47都道府県から千余りの企業・団体が出展。ブースを設け、業界関係者と商談をしたり、一般来場者に向けて魅力を紹介したりした。

 CGS部が参加したのは、ロケットをきっかけに串本町や那智勝浦町の地域活性化に取り組んでいるコンサルティング企業「USPジャパン」(本社・東京都)と、同社が事務局を務める一般社団法人「ジャパンショッピングツーリズム協会」のブース。同部ではロケットで地域を盛り上げる活動にも力を入れており、同社の新津研一社長(52)の提案で今回発表をすることになった。

 イベント初日の22日、東京の会場と串本古座高校をオンラインで結び、同部の2年生2人と1年生4人が「日本初の民間ロケット発射場〝スペースポート紀伊〟を高校生が地域活性化の起爆剤に!」と題して発表。現地では約30人の観光関係者が聞いた。

 生徒たちはこれまでの活動を紹介しながら「串本古座高校は地域と近い学校ですが、宇宙にも近い学校です」と、町内のロケット発射場をアピール。ロケット関連の取り組みとして、特産をふんだんに使った「ロケットラーメン」の開発や小型ロケットにちなんだキャラクターを考案して缶バッジを制作したことなどを説明し、ロケット打ち上げ時には写真共有アプリ「インスタグラム」で生放送する計画もあることを紹介した。

 発表した2年生の鈴木美咲子さん(16)は「とても緊張したけど、声を張って発表できた。串本はあまり知られていないと思うので、少しでも知ってもらえたらうれしい」と話した。

 USPジャパンのブースでは、ロケットに関連した串本町と那智勝浦町の取り組みなどをアピール。人気漫画『宇宙兄弟』のメインキャラクターと一緒に撮影できるフォトスタンディや造形作家の石田貴志さん(47)が串本町に寄贈した小型ロケットの模型などを展示したり、プロモーションビデオを上映したりしたほか、知名度などを調べるアンケートも実施。串本町の職員も参加し『宇宙兄弟』のコスプレをして会場を盛り上げた。

 新津社長は「全国各地から集まった観光関係者が高校生のプレゼンに拍手を送り、素晴らしい取り組みだと話していた。ロケットについては初めて知ったという方が多かったが、強い関心を示し『世界でも屈指の魅力的な観光地になる』という声もたくさんあった。今回の出展を今後の活動への弾みにしたい」と話していた。

 ツーリズムEXPOジャパンにはこの他、南紀串本観光協会や古座川町観光協会なども参加し、地域の魅力をアピールした。

串本古座高校の生徒たちの発表に集まった観光業界の関係者ら(東京都江東区で)=USPジャパン提供

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