特殊詐欺に注意を 被害防止の6人に感謝状

 和歌山県内で特殊詐欺の被害が相次いでいる。県警によると、今年1~8月に被害を把握した件数は58件(昨年同期比19件増)で、被害額は約8339万円(同2029万円増)。そのうち74%が65歳以上の高齢者だったという。田辺署と白浜署ではこのほど、被害を未然に防いだ6人に感謝状が贈られた。

 田辺芳養郵便局(田辺市芳養1丁目)の三倉直子さん(49)と岩本七音さん(19)は8月24日午後5時ごろ、60代女性が電話をしながらATMを操作していたことから確認したところ、「介護保険料の返還手続きをしている」と話したため、ATMの操作を思いとどまらせた。

 JA紀州梅の郷支店高城出張所(みなべ町滝)の上田佐知子さん(43)は8月5日午後1時ごろ、60代の女性が「出会い系サイトで知り合った男から指輪を贈る手数料として200万円以上請求されている」と説明したことから、詐欺に遭っている可能性が高いと判断した。

 ファミリーマート田辺内ノ浦店(田辺市新庄町)の吉岡友樹さん(41)は8月7日午後8時ごろ、60代の女性が慌てた様子で電子マネーの購入方法を聞いてきたため、購入目的を確認したところ「インターネットサイトで友人とやりとりをしていてお金がかかる」と説明したことから、詐欺と分かり警察に通報した。

 ローソン白浜町十九渕店のオーナー、濱口大樹さん(37)とアルバイトの鳴子元尋さん(19)は5日午後8時ごろ、店を訪れた70代女性がパソコン修理のために5万円分の電子マネーを購入しようとしていたことから、だまされていると確信し、購入を思いとどまらせた。

 県警は特殊詐欺被害防止のための無料電話(0120.508.878)を開設しており、利用を促している。

© 株式会社紀伊民報