新米の販売開始 概算金が引き上げられても農家には厳しい秋

2022年は米の生育が順調な上、米農家に農協が前払いする概算金の基準も3年ぶりに引き上げられましたが、農家にとっては厳しい秋となっています。

仙台市宮城野区にあるみやぎ生協の店舗で25日、ひとめぼれの新米の販売が始まりました。

10キロのひとめぼれが3974円と、2021年より約200円値上がりしましたが訪れた人が早速買い求めていました。

買い物客「新米ってだけでおいしいって思えるので。若干高くなってるかなって思いますね」「新米できるまで、お米無くなったんだけど待って買いました」「(新米は)全く違います。炊き上がった時の色も違うし、全然違います」

みやぎ産直米生産者協議会佐々木武美会長「量もいくらか例年よりも取れてますし品質も上々、いいです」

宮城県大崎市古川の専業農家鈴木久義さんです。

天候にも恵まれ、県内の米の作柄は8月15日時点で「やや良」と生育は順調です。

農協を通じて米を出荷する農家に前払いされる概算金の基準も、ひとめぼれで、60キロ当たり1万800円と前年より1300円引き上げられました。概算金の引き上げは3年ぶりです。

しかし、米農家にとっては厳しい状況が続いていると言います。

鈴木久義さん「肥料なり農薬なり燃料なりが、毎月のように上がってきているということですので、どうにも米の値段で追いつかないわけです。ましてや生活もしていかなくてはないのでどうしたらいいか、にっちもさっちもという感じですね」

鈴木さんは、個人の努力では限界があり国などの支援が必要と訴えます。

鈴木久義さん「交付金なりいただいているがもう少し手厚くしてもらえないかと思います」

消費者の米離れも深刻です。こちらは仙台市内の米穀店です。以前は、新米の発売日は行列ができたと言います。

米工房いわい岩井宏太会長「昔だったら、新米っていったら必ず今ごろぽんぽんと来るんだけれども、まだいまいちって感じ」

食品の値上がりが続く中、比較的安価な米を多くの人に食べてほしいと言います。

米工房いわい岩井宏太会長「他のものが物価高になってますけれども、米はその割には値上がりしませんので、食べておいしいし、栄養も豊富だし主食をもう少し復活してもらいたい」

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