熱中症の高齢女性をチームで保護 声掛け、日陰へ、飲み物買い、ストローも… 少年野球の4人に感謝状

(右上から時計回りに)上杉虎夢さん、福田旺甫さん、田中羚さん、村上義琉さん=鶴見署

 熱中症にかかり、路上で動けなくなったお年寄りを保護したとして、神奈川県警鶴見署は、横浜や川崎の小学校に通う6年生4人に感謝状を贈った。

 感謝状を贈られたのは、横浜市立潮田小6年の村上義琉(たける)さん(12)、田中羚(りょう)さん(11)、上杉虎夢(らいむ)さん(12)と川崎市立小田小6年の福田旺甫(おうすけ)さん(12)。4人は横浜市鶴見区に拠点を置く少年野球チーム「潮田イーグルス」に所属している。

 4人は8月27日午後2時45分ごろ、横浜市鶴見区の友人宅を訪れる途中、電柱にもたれてグッタリしている80代の女性を見つけた。

 横浜地方気象台によると、この日、最高気温は33.3度を記録していた。

 「大丈夫ですか?」と声を掛けると、女性は「具合が悪い」と答えた。4人は女性を近くの日陰に連れて行き、村上さんは飲み物を買うために近くのコンビニに急いだ。女性がレモンティーを飲みづらそうにしていたため、福田さんが再度コンビニに向かい、ストローをもらった。

 偶然通りがかった別の野球チームのコーチに通報を依頼。救急隊が到着するまで、4人は女性を励まし続けた。女性は軽度の熱中症とみられ、命に別条はなかったという。

 20日に署で贈呈式が行われ、感謝状を手渡した片山真署長は「躊躇(ちゅうちょ)なく行動する勇気によって、おばあちゃんを助けられた」と4人をたたえた。田中さんは「(女性を)助けられて良かった」と振り返り、上杉さんは「具合が悪そうな人がいたら、また助けてあげたい」と笑顔で話した。

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