【静岡豪雨】なぜ、台風最接近前に静岡では記録的な大雨になったのか?気象予報士がわかりやすく解説

<井手春希キャスター>

なぜ、今回はこのような記録的な大雨になったのでしょうか?

<田中健太郎気象予報士>

土曜日の朝、予想されていた天気図です。日本列島付近の拡大図を見ると、「等温線」といって、気温が同じ点を結んだ線が集中しているところがありました。これは気温の変化が急激だったことを表しています。実際にこの線を挟んで北にある寒気と南にある暖気との差が激しくなって、雨雲が発達しやすくなっていました。

実際に大雨が降った時の天気図を見ると、寒冷前線に向かって台風からの湿った空気が流れ込み、高気圧の周辺に吹く風が合流してきたことで大雨となりました。ちょうど静岡県付近で風と風が集まり、局地的な大雨につながりました。

<井手キャスター>

各地で冠水が起きました。

<田中気象予報士>

短い時間で大量の雨が降りました。1時間に100ミリを超える猛烈な雨が降って、記録的短時間大雨情報が今までにないほど繰り返し発表されました。

静岡市中心部の24時間降水量の歴代ランキングです。今回の雨は1974年の七夕豪雨に次ぐ雨の量となりました。そして1位から4位にかけて、それぞれ大きな原因は台風となっていた上に、今回と同じように台風と寒気が隣り合っていたという特徴があります。今回は12時間という短い時間で大雨が降ったということで、七夕豪雨に匹敵する降り方だったといえます。

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